November 18, 2004 Vol. 351 No. 21
腫瘍浸潤性の免疫細胞の分子的特徴に基づく濾胞性リンパ腫患者の生存期間の予測
Prediction of Survival in Follicular Lymphoma Based on Molecular Features of Tumor-Infiltrating Immune Cells
S.S. Dave and Others
濾胞性リンパ腫患者の生存期間は,診断後 1 年未満から 20 年以上と考えられる.診断時に得られた腫瘍生検標本の遺伝子発現プロファイルを利用し,生存期間の分子予測因子を明らかにした.
未治療の濾胞性リンパ腫患者から得られた 191 の生検標本について,遺伝子発現プロファイルを解析した.95 標本から成るトレーニングセットにおいて監視を行い,生存期間と関連のある遺伝子発現パターンを明らかにした.これらの遺伝子発現パターンから生存期間の分子予測因子を決定し,96 標本から成る独立したテストセットで妥当性を確認した.
生存期間を予測する個々の遺伝子を,トレーニングセットでの発現に基づいて遺伝子発現特性でグループ分けし,そのような 2 つの特性を用いて,生存期間の予測因子を決定した.これら 2 つの遺伝子発現特性により,臨床的予後変数とは独立に,テストセットの標本を提供した患者を,生存期間の中央値が大きく異なる四分位群(中央値 13.6 年,11.1 年,10.8 年,3.9 年)に分類することができた.フローサイトメトリーにより,これらの特性が,悪性ではない腫瘍浸潤性の免疫細胞の遺伝子発現を反映することが示された.
濾胞性リンパ腫患者における生存期間は,診断時に腫瘍中に存在する,悪性ではない免疫細胞の分子的特徴と相関している.