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November 18, 2004 Vol. 351 No. 21

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メディケイドの事前承認制度とシクロオキシゲナーゼ-2 阻害薬の使用
Medicaid Prior-Authorization Programs and the Use of Cyclooxygenase-2 Inhibitors

M.A. Fischer and Others

背景

ここ 5 年間,選択的シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬が非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の処方全体に占める割合が増加している.出費を抑えるため,州のメディケイドプログラムの多くが,COX-2 阻害薬を処方する前の事前承認制度を導入した.このような制度が,メディケイド受給者による COX-2 阻害薬の使用に及ぼす影響を評価した.

方 法

州のメディケイド事務所を調査し,COX-2 阻害薬の処方に事前承認が必要かどうかを,そして必要な場合にはその承認基準を調べた.それぞれのプログラムの承認基準を,エビデンスに基づく COX-2 阻害薬の処方に関する勧告と比較した.1999~2003 年末の期間に,50 州のメディケイドプログラムで調剤された全処方箋のデータを用いて,NSAID の 1 日量に COX-2 阻害薬が占める割合を算出した.時系列分析で,それぞれの事前承認制度の導入後の処方パターンの変化を測定した.

結 果

2001 年まで,COX-2 阻害薬はメディケイドで給付される全 NSAID の半分を占めていた.この割合は,2003 年には州によって大きく変化し,11~70%となった.研究期間中に 22 州が COX-2 阻害薬の事前承認制度を導入した.全体的には,事前承認制度の導入によって COX-2 阻害薬が NSAID に占める割合が 15.0%減少した(95%信頼区間 10.9~19.2%).これは,NSAID の処方 1 件当り 10.28 ドルの費用削減(95%信頼区間 7.56~13.00 ドル)に相当する.このような事前承認制度の効果は,エビデンスに基づく処方勧告がどの程度取り入れられているかによって影響を受けることはなかった.

結 論

COX-2 阻害薬の使用と NSAID への出費は州によって大きく異なり,事前承認制度の導入後にかなりの減少を示した.このような減少が臨床的に適切かどうかを決定することは,合理的な薬剤費の償還政策を策定するうえで重要な意味をもつと考えられる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 2187 - 94. )