March 24, 2005 Vol. 352 No. 12
局所進行性リンパ腫に対する ACVBP と CHOP+放射線療法の比較
ACVBP versus CHOP plus Radiotherapy for Localized Aggressive Lymphoma
F. Reyes and Others
化学放射線療法は,局所進行性リンパ腫に対する標準的治療法である.低リスクの局所リンパ腫を有する非高齢者において,最善の治療法を決定するために,化学放射線療法と化学療法単独とを比較する無作為試験を実施した.
I 期または II 期の局所進行性リンパ腫で,国際予後指標(IPI)では不良な予後因子のない 61 歳未満の未治療患者を,3 サイクルのシクロホスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,プレドニゾン(CHOP)に加え罹患局所放射線療法を行う群(329 例),または用量を強化したドキソルビシン,シクロホスファミド,ビンデシン,ブレオマイシン,プレドニゾン(ACVBP)による化学療法を単独で 3 サイクル行い,逐次強化療法を行う群(318 例)に無作為に割付けた.
中央値 7.7 年の追跡期間において,無イベント生存率と全生存率は,化学療法単独群のほうが CHOP+放射線療法群よりも有意に高かった(それぞれ P<0.001,P=0.001).5 年無イベント生存率の推定値は,化学療法単独群患者で 82%(95%信頼区間 78~87%),化学放射線療法群患者で 74%(95%信頼区間 69~78%)であった.5 年全生存率の推定値は,それぞれ 90%(95%信頼区間 87~93%),81%(95%信頼区間 77~86%)であった.多変量解析において,無イベント生存率と全生存率は治療群によって異なり,病期や腫瘤性病変の有無とは独立していた.
低リスク局所リンパ腫の治療に関して,61 歳未満の患者では,3 サイクルの ACVBP 化学療法とその後の逐次強化療法は,3 サイクルの CHOP+放射線療法よりも優れている.