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March 31, 2005 Vol. 352 No. 13

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症候性頭蓋内動脈狭窄に対するワルファリンとアスピリンとの比較
Comparison of Warfarin and Aspirin for Symptomatic Intracranial Arterial Stenosis

M.I. Chimowitz and Others

背景

アテローム性頭蓋内動脈狭窄は,脳卒中の重大な原因の 1 つである.この疾患に対しては,アスピリンよりもワルファリンが一般的に用いられるが,これらの治療法が無作為試験で比較されたことはない.

方 法

二重盲検多施設共同試験において,一過性脳虚血発作または脳卒中の患者で,その原因が頭蓋内主要動脈の 50~99%の狭窄であることが血管造影で確認された患者を,ワルファリン投与(目標国際標準比 [INR] 2.0~3.0)またはアスピリン投与(1,300 mg/日)に無作為に割付けた.主要エンドポイントは,虚血性脳卒中,脳内出血,脳卒中以外の血管系の原因による死亡とした.

結 果

569 例を無作為化したあと,ワルファリン投与群の患者で安全性に関する懸念が生じたため,登録を中止した.平均 1.8 年の追跡期間中,両群で有害事象として,死亡(アスピリン群 4.3% 対 ワルファリン群 9.7%,ワルファリンと比較したアスピリンのハザード比 0.46,95%信頼区間 0.23~0.90,P=0.02),大出血(それぞれ 3.2% 対 8.3%,ハザード比 0.39,95%信頼区間 0.18~0.84,P=0.01),心筋梗塞または突然死(それぞれ 2.9% 対 7.3%,ハザード比 0.40,95%信頼区間 0.18~0.91,P=0.02)が生じた.血管系の原因による死亡率は,アスピリン群で 3.2%,ワルファリン群で 5.9%であった(P=0.16).血管系以外の原因による死亡率は,それぞれ 1.1%,3.8%であった(P=0.05).主要エンドポイントは,アスピリン群患者の 22.1%,ワルファリン群患者の 21.8%で発生した(ハザード比 1.04,95%信頼区間 0.73~1.48,P=0.83).

結 論

ワルファリンは,有害事象の発生率が有意に高く,本試験においてアスピリンを上回る利益は認められなかった.頭蓋内動脈狭窄の患者には,ワルファリンよりもアスピリンを使用すべきである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 1305 - 16. )