The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 28, 2005 Vol. 352 No. 17

多民族集団におけるヘモクロマトーシスと鉄過剰症のスクリーニング
Hemochromatosis and Iron-Overload Screening of a Racially Diverse Population

P.C. Adams and Others

背景

鉄過剰症とヘモクロマトーシスは,よくみられる疾患であり,治療可能な疾患である.多民族から成るプライマリケア集団において,HFE 遺伝子型,血清フェリチン値,トランスフェリン飽和率,自己報告による既往歴を調べた.

方 法

プライマリケア施設と血液検査施設で参加者を募った.トランスフェリン飽和率,血清フェリチン値,HFE 遺伝子の C282Y と H63D の変異について血液検体を調べた.遺伝子スクリーニングの前に,鉄過剰に関連した疾患の既往があるかどうかを参加者に質問した.

結 果

被験者 99,711 例中,299 例が C282Y 変異に関してホモ接合性であった.C282Y ホモ接合型の推定保有率は,非ヒスパニック系白人(0.44%)において,アメリカ先住民(0.11%),ヒスパニック(0.027%),黒人(0.014%),太平洋諸島住民(0.012%),アジア人(0.000039%)よりも高かった.C282Y ホモ接合性変異があるが鉄過剰と診断されなかった被験者(227 例)において,血清フェリチン値は,男性 89 例中 78 例で 300 μg/L を超え,女性 138 例中 79 例(57%)で 200 μg/L を超えていた.太平洋諸島住民とアジア人では,C282Y ホモ接合型の保有率がもっとも低かったにもかかわらず,血清フェリチン値の幾何平均とトランスフェリン飽和率の平均がもっとも高かった.鉄過剰と診断されていない被験者のうち,364 例(29 例が C282Y ホモ接合型)では血清フェリチン値が 1,000 μg/L を超えていた.男性では,C282Y ホモ接合型と複合ヘテロ接合型をもつ被験者は,HFE 遺伝子変異をもたない被験者よりも肝疾患の既往を報告する割合が高かった.

結 論

C282Y 変異は白人にもっとも多く,ホモ接合性の人のほとんどで血清フェリチン値とトランスフェリン飽和率が上昇していた.C282Y 変異は,白人以外の人種や民族において血清フェリチン値の平均とトランスフェリン飽和率が高いことの原因ではない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 1769 - 78. )