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June 30, 2005 Vol. 352 No. 26

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stage III 結腸癌に対する術後補助化学療法としてのカペシタビン
Capecitabine as Adjuvant Treatment for Stage III Colon Cancer

C. Twelves and Others

背景

腸癌に対する標準的な術後補助化学療法は,フルオロウラシル+ロイコボリンの急速静注である.一方,経口フッ化ピリミジン系薬剤カペシタビンは,フルオロウラシル+ロイコボリンの急速静注に代わる切除不能進行・再発大腸癌の第一選択療法として確立されている.術後補助化学療法としてのカペシタビンを評価した.

方 法

stage III 結腸癌を切除した患者 1,987 例を,カペシタビンの経口投与(1,004 例)またはフルオロウラシル+ロイコボリンの急速静注(Mayo Clinic レジメン:983 例)のいずれかを 24 週受ける群に無作為に割り付けた.有効性の主要評価項目は,無病生存期間が少なくとも同等であることとし,安全性の主要評価項目は,経口フッ化ピリミジン系薬剤に起因するグレード 3 または 4 の毒性の発現率とした.

結 果

カペシタビン群の無病生存期間は,フルオロウラシル+ロイコボリン群と少なくとも同等であった(intention-to-treat 解析で,非劣性マージンを 1.20 としたハザード比の上限値の比較で P<0.001).カペシタビンにより,無再発生存期間が改善し(ハザード比 0.86,95%信頼区間 0.74~0.99,P=0.04),フルオロウラシル+ロイコボリンよりも有害事象の発現が有意に少なかった(P<0.001).

結 論

カペシタビンの経口投与は,結腸癌の術後補助化学療法として,フルオロウラシル+ロイコボリンの急速静注に代わる有効な治療法である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 2696 - 704. )