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October 13, 2005 Vol. 353 No. 15

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低酸素性虚血性脳症の新生児に対する全身低体温療法
Whole-Body Hypothermia for Neonates with Hypoxic-Ischemic Encephalopathy

S. Shankaran and Others

背景

低体温療法は,動物モデルにおいて窒息後の脳損傷を予防する.しかし,脳症の満期産児における低体温療法の安全性と有効性は明らかではない.

方 法

重度のアシドーシスまたは周産期合併症があり,出生時に蘇生を受け,出産直後または 6 時間以内に入院した在胎期間 36 週以上の新生児で,中等度から重度の脳症のある児を対象に,低体温療法の無作為試験を行った.新生児を,通常の治療(対照群),または全身を食道温度 33.5 ℃で 72 時間冷却したあと,徐々に暖める方法(低体温療法群)のいずれかに無作為に割付けた.生後 18~32 ヵ月の時点で神経発達の転帰を評価した.主要転帰は,死亡または中等度ないし重度の身体障害の複合エンドポイントとした.

結 果

適格新生児 239 例のうち,102 例を低体温療法群に,106 例を対照群に割付けた.冷却を行った 72 時間のあいだに発生した有害事象は,両群で同様であった.主要転帰データは 205 例で入手できた.死亡または中等度ないし重度の身体障害は,低体温療法群で 102 例中 45 例(44%),対照群で 103 例中 64 例(62%)に生じた(リスク比 0.72,95%信頼区間 0.54~0.95,P=0.01).低体温療法群の 24 例(24%)と対照群の 38 例(37%)が死亡した(リスク比 0.68,95%信頼区間 0.44~1.05,P=0.08).生存児において重度の障害は増加することなく,脳性麻痺の発生は低体温療法群で 77 例中 15 例(19%)であったのに対し,対照群では 64 例中 19 例(30%)であった(リスク比 0.68,95%信頼区間 0.38~1.22,P=0.20).

結 論

全身低体温療法により,中等度から重度の低酸素性虚血性脳症の新生児において,死亡または障害のリスクが軽減する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 1574 - 84. )