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December 29, 2005 Vol. 353 No. 26

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鎌状赤血球症における脳卒中に対する予防的輸血の中止
Discontinuing Prophylactic Transfusions Used to Prevent Stroke in Sickle Cell Disease

The STOP 2 Trial Investigators

背景

予防的輸血は,経頭蓋超音波ドプラ検査で異常のある鎌状赤血球貧血の患児において,脳卒中を予防する.しかし,これらの患児への輸血をどれくらいの期間続けるべきか,明らかにされていない.

方 法

鎌状赤血球症で,経頭蓋超音波ドプラスクリーニング検査に基づく脳卒中のリスクが高く,30 ヵ月以上輸血を受け,この期間中にドプラ検査の結果が正常になった患児を対象に検討を行った.これらの患児を,輸血継続群と非継続群に無作為に割付けた.頭蓋磁気共鳴血管造影検査において重度の狭窄病変の認められた患児は除外された.複合主要エンドポイントは,ドプラ検査で,脳卒中の高リスクを示唆する結果に再び転じることとした.

結 果

100 例の患児を登録する計画であったが,79 例を無作為化した時点で試験を中止した.輸血中止群の患児 41 例のうち,14 例はドプラ検査で高リスクを示し,他の 2 例は最後の輸血から平均 4.5±2.6 ヵ月以内(範囲 2.1~10.1 ヵ月)に脳卒中を発症した.複合エンドポイントであるこれらのイベントはいずれも,輸血を継続した 38 例では発生しなかった.輸血開始前 2 回の経頭蓋ドプラ検査結果の平均値が,複合エンドポイントの唯一の予測因子であった(P=0.05).

結 論

鎌状赤血球症の患児で脳卒中に対する予防的輸血を中止すると,ドプラ検査で血流速度が再び異常に転じる割合と,脳卒中を起す割合が高くなる.
(ClinicalTrials.gov 識別番号:NCT00006182)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 2769 - 78. )