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August 4, 2005 Vol. 353 No. 5

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2003 年および 2004 年の米国内供血者における西ナイルウイルス
West Nile Virus among Blood Donors in the United States, 2003 and 2004

S.L. Stramer and Others

背景

西ナイルウイルスは 1999 年に米国ではじめて確認されて以来,隣接する州に拡大していき,症例数は数千例にのぼっている.2002 年に輸血によりウイルスが伝播しうることが明らかとなり,2003 年半ばには,原則として全供血者に試験的核酸増幅検査による西ナイルウイルス RNA 検査が行われるようになった.検査は,個別検体あるいは供血者 16 例までの「ミニプール検体」で実施された.

方 法

地理的および時間的傾向を確認するために,2003 年と 2004 年に実施された米国赤十字社の西ナイルウイルス検査プログラムのデータを解析した.感染頻度の高い地域では,検査の感度を上げるために供血者を個別に検査した.結果が陽性の供血者は,当初の反応性を確認し,感染の自然経過を評価するため追跡研究に参加した.

結 果

2003 年と 2004 年に実施された日常検査で,西ナイルウイルス RNA 陽性の供血者が 540 例同定された.うち 362 例(67%)が,IgM 抗体陰性で感染の可能性がもっとも高かった.540 例の陽性供血者のうち,148 例(27%)は個別検体の検査によってのみ検出可能であり,148 例のうち IgM 抗体陰性であったのは 15 例(10%)のみであった.流行期間に供血が RNA 陽性であった頻度は,全体で,2003 年は供血 10,000 例中 1.49 例,2004 年は供血 10,000 例中 0.44 例であった.2004 年に陽性であった供血の 52%は,南カリフォルニアの 4 つの郡の供血者のものであった.

結 論

核酸増幅検査を迅速に実施した結果,西ナイルウイルス RNA 陽性供血者 519 例が事前に同定され,赤十字社が供給する血液から,感染の可能性がある関連製剤 1,000 例超が除去された.輸血による感染は,検査された血液の受血者では確認されなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 451 - 9. )