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September 1, 2005 Vol. 353 No. 9

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パジェット病に対するゾレドロン酸の単回投与とリセドロン酸の比較
Comparison of a Single Infusion of Zoledronic Acid with Risedronate for Paget's Disease

I.R. Reid and Others

背景

ビスホスホネートの出現によりパジェット病に対する治療は進歩したが,治療に対する患者の能動的態度(アドヒアランス)を高めるには,より有効で使用しやすい薬剤が必要である.ビスホスホネート製剤の 1 つで,静脈内注射で単回投与するゾレドロン酸は,こうしたニーズを満たす可能性がある.

方 法

それぞれ 6 ヵ月間にわたる 2 件の同一の無作為二重盲検実薬対照試験において,ゾレドロン酸 5 mg の単回 15 分間投与と 60 日間のリセドロン酸経口投与(1 日 30 mg)を比較した.主要有効性エンドポイントは,6 ヵ月の時点での治療効果率とし,治療効果はアルカリホスファターゼ値の正常化,あるいは総アルカリホスファターゼの過剰分の 75%以上の減少と定義した.2 件の試験の結果を併合した.

結 果

6 ヵ月の時点で治療効果がみられたのは,ゾレドロン酸投与を受けた患者で 96.0%(176 例中 169 例)であったのに対し,リセドロン酸投与を受けた患者では 74.3%であった(171 例中 127 例,P<0.001).アルカリホスファターゼ値が正常化した患者の割合は,ゾレドロン酸群で 88.6%,リセドロン酸群で 57.9%であった(P<0.001).ゾレドロン酸群では,リセドロン酸群よりも最初の治療効果がみられるまでの時間の中央値が短かった(64 日 対 89 日,P<0.001).ゾレドロン酸群の治療効果率がリセドロン酸群よりも高いことは,人口統計学,疾患の重症度,治療歴で分類したすべてのサブグループで一貫しており,他の骨代謝マーカーの変化も一致していた.QOL の指標である医療アウトカム研究:36 項目の一般健康状態調査(Medical Outcomes Study 36-item Short-Form General Health Survey)の身体に関する要素の合計点は,ゾレドロン酸群ではベースラインから 3 ヵ月と 6 ヵ月の両時点で有意に上昇しており,3 ヵ月の時点ではリセドロン酸群とのあいだに有意差がみられた.また,疼痛スコアは両群で改善した.試験後の追跡期間中(中央値 190 日)に治療効果が消失した患者は,リセドロン酸群では 82 例中 21 例であったのに対し,ゾレドロン酸群では 113 例中 1 例であった(P<0.001).

結 論

パジェット病に対しては,ゾレドロン酸を単回投与するほうが,リセドロン酸による連日の治療よりも治療効果が迅速かつ完全で,持続性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 898 - 908. )