April 13, 2006 Vol. 354 No. 15
腹圧性尿失禁の改善を目的とした Burch 法併用腹式仙骨腟固定術
Abdominal Sacrocolpopexy with Burch Colposuspension to Reduce Urinary Stress Incontinence
L. Brubaker and Others
骨盤臓器脱の治療において,腹式仙骨腟固定術に加え,標準化した Burch 法(恥骨後式膀胱頸部挙上術)を行うことで,術前に腹圧性尿失禁の症状のない女性で,術後の腹圧性尿失禁が減少するかどうかを評価することを目的として,この試験をデザインした.
腹圧性尿失禁の症状を訴えていない女性で,骨盤臓器脱の治療のために仙骨腟固定術を選択した女性を,Burch 法併用群または非併用群(対照群)に無作為に割付け,手術 3 ヵ月後に盲検下で評価した.主要転帰は,腹圧性尿失禁の指標(症状,負荷試験,治療)および切迫性尿失禁の指標とした.Burch 法併用群において腹圧性尿失禁の発生率が有意に低かったため,最初の中間解析後に登録を打ち切った.
無作為化した女性 322 例のうち,157 例を Burch 法併用群に,165 例を対照群に割付けた.術後 3 ヵ月の時点で,Burch 法併用群の 23.8%と対照群の 44.1%が,腹圧性尿失禁の基準を 1 つ以上満たした(P<0.001).切迫性尿失禁の発生率については,Burch 法併用群と対照群とのあいだに有意差は認められなかった(32.7% 対 38.4%,P=0.48).手術後,対照群の女性は,Burch 法併用群の女性よりも腹圧性尿失禁の厄介な症状を訴える割合が高かった(24.5% 対 6.1%,P<0.001).
腹圧性尿失禁がなく,骨盤臓器脱で仙骨腟固定術を受ける女性では,Burch 法の併用により,その他の下部尿路症状を増加させることなく,術後の腹圧性尿失禁が有意に減少した.