The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

May 18, 2006 Vol. 354 No. 20

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

未熟児無呼吸発作に対するカフェイン投与
Caffeine Therapy for Apnea of Prematurity

B. Schmidt and Others

背景

メチルキサンチン類は,未熟児無呼吸発作の頻度と,治療の最初の 7 日間における人工換気の必要性を減少させる.メチルキサンチン類が,超低出生体重児に対し,そのほかの短期的・長期的な有用性やリスクをもつのかどうかは不明である.

方 法

出生体重が 500~1,250 g の乳児 2,006 例を,生後 10 日間に,カフェインまたはプラセボを未熟児無呼吸発作に対する薬物療法の必要がなくなるまで投与する群に無作為に割付けた.

結 果

カフェイン投与群では,月経齢 36 週の時点で生存していた乳児 963 例のうち,350 例(36%)で酸素補給が行われたのに対し,プラセボ群では 954 例中 447 例(47%)であった(調整オッズ比 0.63,95%信頼区間 0.52~0.76,P<0.001).陽圧呼吸は,カフェイン群の乳児(月経齢の中央値 31.0 週,四分位範囲 29.4~33.0)では,プラセボ群の乳児(月経齢の中央値 32.0 週,四分位範囲 30.3~34.0)よりも 1 週間早く中止された(P<0.001).カフェインにより,体重増加が一時的に低下した.カフェイン群とプラセボ群の体重増加の平均差は,2 週間後に最大となった(平均差 -23 g,95%信頼区間 -32~-13,P<0.001).死亡,超音波検査上の脳損傷の徴候,壊死性腸炎の発生率について,両群で有意差はなかった.

結 論

未熟児無呼吸発作に対するカフェイン投与により,超低出生体重児の気管支肺異形成症の発症率が減少する.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00182312)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 2112 - 21. )