The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 9, 2006 Vol. 354 No. 6

急性虚血性脳卒中に対する NXY-059
NXY-059 for Acute Ischemic Stroke

K.R. Lees and Others

背景

NXY-059 は,脳卒中の動物モデルにおいて神経保護作用を示すフリーラジカル捕捉剤である.この薬剤が,ヒトにおいて急性虚血性脳卒中後の障害を軽減するかどうかを検討した.

方 法

急性虚血性脳卒中患者 1,722 例を対象に,無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した.患者を,脳卒中発症後 6 時間以内にプラセボまたは静脈内投与用 NXY-059 を 72 時間注入する群に,無作為に割付けた.主要転帰は 90 日後の障害とし,障害に関する modified Rankin scale(範囲 0~5,0 は後遺症がまったくない状態,5 は寝たきりで常に介護を要する状態を示す)のスコアで測定した.

結 果

有効性分析の対象とした患者 1,699 例において,NXY-059 は,プラセボと比較して modified Rankin scale のスコアの全般的な分布を有意に改善した(Cochrane-Mantel-Haenszel 検定で P=0.038).modified Rankin scale の全カテゴリーにおける改善についての共通オッズ比は 1.20 であった(95%信頼区間 1.01~1.42).死亡率,重篤な有害事象および重篤でない有害事象の発生率は,それぞれ両群で同等であった.NXY-059 群では,米国国立衛生研究所脳卒中スケール(National Institutes of Health Stroke Scale;NIHSS)で測定した神経機能に改善はみられず,ベースラインからのスコアの変化の群間差は 0.1 ポイントであった(95%信頼区間 -1.4~1.1,P=0.86).同様に,Barthel index についても改善はみられなかった(P=0.14).アルテプラーゼ(alteplase)の併用投与を受けた患者を対象に事後解析を行ったところ,NXY-059 は,すべての出血性変化(P=0.001)および症候性頭蓋内出血(P=0.036)の発生率が低いことと関連していた.

結 論

急性虚血性脳卒中発症後 6 時間以内の NXY-059 投与により,主要転帰(90 日後の障害の軽減)は有意に改善したが,NIHSS スコアで測定した神経機能を含む,その他の転帰指標は有意に改善しなかった.NXY-059 が虚血性脳卒中に対して有効かどうかを確認するためには,さらに研究を行う必要がある.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00119626)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 588 - 600. )