The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 9, 2006 Vol. 354 No. 6

選択的セロトニン再取り込み阻害薬と新生児遷延性肺高血圧症のリスク
Selective Serotonin-Reuptake Inhibitors and Risk of Persistent Pulmonary Hypertension of the Newborn

C.D. Chambers and Others

背景

新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)は,乳児の高い死亡率と障害の発生率に関連している.先行のコホート研究では,母親が妊娠第 3 期の後期に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)のフルオキセチン(fluoxetine)を使用することと,乳児における PPHN のリスクが関連している可能性が示唆された.PPHN が妊娠後期での SSRI の曝露と関連するかどうかを評価するため,症例対照研究を実施した.

方 法

1998~2003 年に,PPHN の新生児を出産した女性 377 例と,マッチさせた対照女性 836 例およびその新生児を組み入れた.看護師が,妊娠中の薬剤の使用と,人口統計学的変数や健康歴など可能性のある交絡因子に関して,母親に問診を行った.看護師には研究の仮説は知らせなかった.

結 果

PPHN の新生児では,14 例が妊娠 20 週以降に SSRI の曝露を受けていたのに対し,対照新生児で曝露を受けたのは 6 例であった(補正オッズ比 6.1,95%信頼区間 2.2~16.8).一方,妊娠 20 週より以前の SSRI の使用と,妊娠中のいずれかの時点での SSRI 以外の抗うつ薬の使用は,PPHN のリスクの増加と関連していなかった.

結 論

このデータは,妊娠後期における母親の SSRI の使用と,出生児の PPHN との関連性を支持するものであり,この関連性についてさらに研究する必要がある.妊娠中に SSRI の使用を継続するかどうかを決めるさいには,この結果を考慮に入れるべきである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 579 - 87. )