The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 23, 2006 Vol. 354 No. 8

乳癌に対するトラスツズマブ併用・非併用下でのドセタキセル補助療法とビノレルビン補助療法の比較
Adjuvant Docetaxel or Vinorelbine with or without Trastuzumab for Breast Cancer

H. Joensuu and Others

背景

早期乳癌の補助治療として,ドセタキセルとビノレルビンを比較した.HER2/neu を過剰発現している腫瘍を有する女性については,さらにトラスツズマブを用いた併用療法を実施する群と実施しない群とに割付けた.

方 法

腋窩リンパ節転移陽性あるいは高リスクのリンパ節転移陰性乳癌の女性 1,010 例を,3 サイクルのドセタキセルまたはビノレルビンによる化学療法に無作為に割付け,その後,両群ともに 3 サイクルのフルオロウラシル,エピルビシン,シクロホスファミドを用いた化学療法を施行した.腫瘍で HER2/neu 遺伝子が増幅していた女性 232 例は,さらに週 1 回のトラスツズマブ投与 9 回を実施する群と実施しない群とに割付けた.主要エンドポイントは無再発生存率とした.

結 果

3 年の時点での無再発生存率は,ドセタキセル群のほうがビノレルビン群よりも高かったが(91% 対 86%,再発または死亡に対するハザード比 0.58,95%信頼区間 0.40~0.85,P=0.005),全生存率には両群間に差はなかった(P=0.15).HER2/neu 陽性癌患者のサブグループ内では,トラスツズマブ投与患者のほうが,投与を受けていない患者よりも 3 年無再発生存率が高かった(89% 対 78%,再発または死亡に対するハザード比 0.42,95%信頼区間 0.21~0.83,P=0.01).ドセタキセルは,ビノレルビンよりも多くの有害作用と関連していた.トラスツズマブは,左室駆出率低下や心不全とは関連しなかった.

結 論

ドセタキセルによる補助療法は,ビノレルビンと比較して,早期乳癌女性の無再発生存率を改善する.短期コースのトラスツズマブ投与は,ドセタキセル,ビノレルビンいずれかとの併用で,HER2/neu 遺伝子の増幅している乳癌女性において効果がある.(International Standard Randomised Controlled Trial 番号:ISRCTN76560285)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 809 - 20. )