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October 19, 2006 Vol. 355 No. 16

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慢性 ITP に対する血小板産生刺激蛋白 AMG 531
AMG 531, a Thrombopoiesis-Stimulating Protein, for Chronic ITP

J.B. Bussel and Others

背景

慢性免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)に対する現在の治療法は,大半が血小板の破壊を抑制することで作用する.第 1 相,第 2 相試験において,ITP 患者に血小板産生を刺激する蛋白,AMG 531 を投与した.

方 法

第 1 相試験では,ITP に対する治療を 1 種類以上受けた患者 24 例を,各群 4 例から成る用量増加コホートに割り付け,同一用量(0.2~10 μg/kg 体重)の AMG 531 を 2 回投与した.第 2 相試験では,患者 21 例を,AMG 531(1,3,6 μg/kg)またはプラセボの週 1 回 6 週間皮下注射へ無作為に割り付けた.主な目的は AMG 531 の安全性を評価することとし,副次的な目的は投与中および投与後の血小板数を評価することとした.

結 果

投与期間中,AMG 531 に直接起因すると考えられる重大な有害事象は発生しなかった.41 例中 4 例では,投与後に血小板減少症の一過性の悪化が認められた.第 1 相試験で,目標範囲(50,000~450,000/mm3)内かつベースラインの 2 倍以上の血小板数に達したのは,3,6,10 μg/kg の AMG 531 を投与した患者 12 例中 4 例であった.全体として,血小板数が 50,000/mm3 以上に達したのは 12 例中 7 例であり,うち 3 例では 450,000/mm3 を超えていた.血小板数の増加は用量依存的であり,最高値の平均は,3,6,10 μg/kg の AMG 531 投与群で,それぞれ 163,000,309,000,746,000/mm3 であった.第 2 相試験では,目標範囲の血小板数は,1 または 3 μg/kg の AMG 531 を週 1 回 6 週間投与した患者 16 例中 10 例で達成された.最高値の平均は,1 μg 用量群,3 μg 用量群,プラセボ群で,それぞれ 135,000,241,000,81,000/mm3 であった.

結 論

ITP 患者において,AMG 531 投与により重大な有害事象は発生せず,血小板数が増加した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00111475)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 1672 - 81. )