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November 23, 2006 Vol. 355 No. 21

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2005 年のインドネシアにおける 3 つの H5N1 ウイルス感染群
Three Indonesian Clusters of H5N1 Virus Infection in 2005

I.N. Kandun and Others

背景

2003 年以来続く,家禽や鳥類における A 型トリインフルエンザ(H5N1)蔓延の結果,10 ヵ国でヒトでの H5N1 感染が確認されている.インドネシアにおける最初の H5N1 ウイルス感染者は,2005 年 7 月に確認された.

方 法

2005 年 6~10 月に,インドネシアの 3 つの感染群を調べた.各群には,検査所見から H5N1 ウイルス感染が確認され入院した患者が 2 例以上含まれた.これらの患者の疫学的,臨床的,ウイルス学的データを収集し,解析した.

結 果

3 群すべてで重症疾患が発生し,2 群では死亡が認められた.また,2 群で小児における軽症疾患が確認された.患者 8 例の年齢の中央値は 8.5 歳であった(範囲 1~38 歳).4 例が人工換気を必要とし,8 例中 4 例(50%)が死亡した.各群とも,H5N1 ウイルス感染者は同じ家族の構成員で,ほとんどが同じ家に住んでいた.2 群では発端患者の H5N1 ウイルス感染源が特定されなかった.2 群の各 1 例からウイルス分離株が得られ,遺伝子配列の解析から,分離株がトリ由来のクレード 2 の H5N1 ウイルスであることが確認された.

結 論

2005 年にインドネシアで確認された,クレード 2 の H5N1 ウイルスのヒト感染群では,家族構成員の中に軽症例,重症例,および致死的な例がみられた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 2186 - 94. )