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November 23, 2006 Vol. 355 No. 21

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胎児パルス酸素飽和度測定と帝王切開
Fetal Pulse Oximetry and Cesarean Delivery

S.L. Bloom and Others

背景

胎児の酸素飽和度に関する情報は,胎児の電子的モニタリングを補助し,帝王切開率や出生時の新生児の状態に有意な変化をもたらす可能性がある.

方 法

満期産で分娩初期の未経産婦 5,341 例を,胎児パルス酸素飽和度の「表示」群と「非表示」群に無作為に割り付けた.表示群では,胎児の酸素飽和度を医師に示した.非表示群では,胎児酸素センサーの挿入を行い,酸素飽和度をコンピュータに記録したが,データは示さなかった.無作為化前に安心できない胎児心拍数(nonreassuring fetal heart rate)が認められた分娩の場合,続いて行う解析のために記録した.

結 果

帝王切開の全施行率には,表示群と非表示群(それぞれ 26.3%,27.5%)で有意差は認められなかった(P=0.31).独立した適応症である安心できない胎児心拍数(それぞれ 7.1%,7.9%;P=0.30)および難産(それぞれ 18.6%,19.2%;P=0.59)に関連した帝王切開の施行率も,両群で同等であった.無作為化前に安心できない胎児心拍数が認められた産婦 2,168 例のサブグループでも,同様の結果が認められた.出生時の新生児の状態に両群で有意差はみられなかった.

結 論

胎児の酸素飽和度に関する情報は,帝王切開率の低下や新生児の状態の改善とは関連しない.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00098709)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 2195 - 202. )