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December 14, 2006 Vol. 355 No. 24

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学校におけるインフルエンザワクチン接種の有効性
Effectiveness of School-Based Influenza Vaccination

J.C. King, Jr., and Others

背景

学校で児童にワクチン接種を行うことは,家庭や地域社会でのインフルエンザの蔓延を抑えるための 1 つの方策である.

方 法

4 州の小学校で人口統計学的に類似した 11 群を同定し,1 校をワクチン接種プログラムへの参加(介入校)に,1~2 校を不参加(対照校)に割り付けた.各州でインフルエンザの活動性がピークになると予想される週に,人口統計学的特徴,インフルエンザワクチン接種,過去 7 日間のインフルエンザ様疾患の転帰について,介入校と対照校に通う児童がいるすべての家庭を調査した.

結 果

全体で,介入校の児童の 47%にインフルエンザの弱毒生ワクチンを接種した.介入校の児童がいる家庭では,対照校の児童がいる家庭と比べて,思い出し調査の対象としたインフルエンザ活動性の予想ピーク週における,インフルエンザ様の症状と転帰が有意に少なかった.一方で,介入校の家庭(児童と成人の両方)では,100 人当りの入院率が対照校の家庭よりも高かった.しかし,ワクチン接種を受けた児童のいる家庭とワクチン接種を受けていない児童のいる家庭を比較したところ,試験群の割付けにかかわらず,児童や成人の全入院率に差はみられなかった.あらゆる原因による学校欠席率(学校の記録に基づく)には,介入校と対照校で有意差はみられなかった.

結 論

インフルエンザ様疾患に関連する転帰の多くは,介入校の児童がいる家庭で,対照校の児童がいる家庭と比べて有意に少なかった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00192218)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 2523 - 32. )