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July 27, 2006 Vol. 355 No. 4

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オピオイド依存症に対するカウンセリング+ブプレノルフィン・ナロキソンによる維持療法
Counseling plus Buprenorphine-Naloxone Maintenance Therapy for Opioid Dependence

D.A. Fiellin and Others

背景

オピオイド依存症のプライマリケアで行うブプレノルフィン・ナロキソンの外来投与について,最適なカウンセリングのレベルと投与のための来院頻度は確立されていない.

方 法

患者 166 例を以下の 3 つの治療法のいずれかに割り付け,24 週間の無作為化対照臨床試験を実施した.3 つの治療法は,標準的な内科的管理+週 1 回の投与,標準的な内科的管理+週 3 回の投与,強化型の内科的管理+週 3 回の投与とした.標準的な内科的管理は,マニュアルに基づいた内科的見地から行う短時間のカウンセリングとした.強化型の内科的管理も同様に行ったが,各カウンセリング時間を延長した.主要転帰評価項目は,自己報告による違法オピオイドの使用頻度,尿検体のオピオイド陰性率,違法オピオイドからの離脱の最長連続週数とした.

結 果

3 つの治療法の有効性は,尿検体のオピオイド陰性率の平均(標準的な内科的管理と週 1 回の投与,44%;標準的な内科的管理と週 3 回の投与,40%;強化型の内科的管理と週 3 回の投与,40%;P=0.82),および患者が違法オピオイドから離脱していた最長連続週数について同等であった.違法オピオイドの使用頻度は,3 つの治療法すべてでベースラインと比べて有意に低下したが,治療群間に有意差は認められなかった.24 週の時点で試験に参加していた患者の割合には,標準的な内科的管理と週 1 回の投与を受けた患者(48%),標準的な内科的管理と週 3 回の投与を受けた患者(43%),強化型の内科的管理と週 3 回の投与を受けた患者(39%)で有意差はみられなかった(P=0.64).ブプレノルフィン・ナロキソン投与の遵守率はさまざまであり,遵守率が上がると治療転帰はよくなった.

結 論

オピオイド依存症のプライマリケアとしてブプレノルフィン・ナロキソンを投与した患者では,毎週の短時間のカウンセリング+週 1 回の投与の有効性と,毎週の時間を延長したカウンセリング+週 3 回の投与の有効性に有意差はみられなかった.ブプレノルフィン・ナロキソン投与の遵守率を向上させる方策が必要である.(CrinicalTrials.gov 番号:NCT00023283)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 365 - 74. )