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August 17, 2006 Vol. 355 No. 7

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グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症に対するアレンドロン酸とアルファカルシドールの比較
Alendronate or Alfacalcidol in Glucocorticoid-Induced Osteoporosis

R.N.J. de Nijs and Others

背景

グルココルチコイドによる治療は,治療開始直後から始る骨量の減少,および骨折リスクの上昇と関連している.

方 法

グルココルチコイドの投与を,プレドニゾン 7.5 mg 以上に相当する 1 日量で開始したリウマチ性疾患患者を対象として,二重プラセボにより,18 ヵ月間の無作為化二重盲検試験を実施した.計 201 例の患者を,アレンドロン酸(10 mg)+アルファカルシドールのプラセボカプセルの連日投与,またはアルファカルシドール(1 μg)+アレンドロン酸のプラセボ錠の連日投与のいずれかに割り付けた.主要転帰は 18 ヵ月後の腰椎骨密度の変化量とし,副次的転帰は形態学的に確認された脊椎変形の発生率とした.

結 果

計 100 例にアレンドロン酸,101 例にアルファカルシドールを投与し,163 例が試験を完了した.腰椎の骨密度は,アレンドロン酸群では 2.1%増加し(95%信頼区間 1.1~3.1%),アルファカルシドール群では 1.9%減少した(95%信頼区間 -3.1~-0.7%).18 ヵ月の時点で,骨密度変化量の両群間の差の平均は 4.0%であった(95%信頼区間 2.4~5.5%).アレンドロン酸群では,3 例で新たな脊椎変形が認められたのに対し,アルファカルシドール群では 8 例であった(うち 3 例には症候性の脊椎骨折が認められた)(ハザード比 0.4,95%信頼区間 0.1~1.4).

結 論

リウマチ性疾患患者を対象としたこの 18 ヵ月間の試験では,グルココルチコイド誘発性骨量減少の予防には,アレンドロン酸のほうがアルファカルシドールよりも有効であった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00138983)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 675 - 84. )