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February 22, 2007 Vol. 356 No. 8

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肺癌における DNA 合成と修復遺伝子 RRM1ERCC1
DNA Synthesis and Repair Genes RRM1 and ERCC1 in Lung Cancer

Z. Zheng and Others

背景

リボヌクレオチド還元酵素の調節サブユニットである RRM1 は,発癌,腫瘍進行,非小細胞肺癌の治療に対する反応性に関与する.

方 法

ルーチン処理を行った組織標本において,RRM1 蛋白の自動定量法を開発した.これらの標本について,RRM1 と,非小細胞肺癌に関連するほかの 2 つの蛋白,すなわち除去修復交差相補群 1(excision repair cross-complementation group 1;ERCC1)蛋白およびフォスファターゼとテンシンの相同蛋白(phosphatase and tensin homologue;PTEN)の発現量をそれぞれ測定した.外科治療のみを受けた早期非小細胞肺癌患者 187 例を対象に,測定結果を臨床転帰と比較した.

結 果

RRM1 の発現は,ERCC1 の発現と相関があったが(P<0.001),PTEN の発現とは相関がなかった(P=0.37).無病生存期間の中央値は,RRM1 の発現量が高い腫瘍を有する患者群では 120 ヵ月を超え,RRM1 の発現量が低い腫瘍を有する患者群では 54.5 ヵ月であった(高発現群における疾患進行または死亡のハザード比 0.46,P=0.004).全生存期間は,RRM1 の発現量が高い腫瘍を有する患者では 120 ヵ月を超え,RRM1 の発現量が低い腫瘍を有する患者では 60.2 ヵ月であった(死亡に対するハザード比 0.61,P=0.02).これら 187 例のうち,生存に対する利益がみられたのは,RRM1 と ERCC1 の両方の発現量が高い腫瘍を有する患者(30%)に限られた.

結 論

RRM1 と ERCC1 は,早期非小細胞肺癌に対する外科治療後の生存の規定要因である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 800 - 8. )