The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

May 15, 2008 Vol. 358 No. 20

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

HIV-1 感染症の初回治療としての薬剤クラス減少レジメン
Class-Sparing Regimens for Initial Treatment of HIV-1 Infection

S.A. Riddler and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)感染患者に対する初回治療には,エファビレンツ,ロピナビル・リトナビル(配合剤)のいずれかと,ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(NRTI)2 剤を併用する方法が推奨されているが,この 2 通りのレジメンのどちらの有効性が高いかは明らかにされていない.NRTI に関連する毒性作用は,ロピナビル・リトナビル+エファビレンツの代替レジメンにより防ぐことができる可能性がある.

方 法

非盲検試験において,初回治療として次の 3 つのレジメンを比較した;エファビレンツ+NRTI 2 剤(エファビレンツ群),ロピナビル・リトナビル+NRTI 2 剤(ロピナビル・リトナビル群),ロピナビル・リトナビル+エファビレンツ(NRTI 非使用群).患者 757 例(CD4 陽性細胞数の中央値 191 個/mm3,HIV-1 RNA 量の中央値 4.8 log10 コピー/mL)を,3 群のいずれかに無作為に割り付けた.

結 果

中央値 112 週の追跡調査で,ウイルス学的失敗までの時間は,エファビレンツ群のほうがロピナビル・リトナビル群よりも長かったが(P=0.006),NRTI 非使用群については,ほかの 2 群との有意差は認められなかった.96 週の時点で血漿中 HIV-1 RNA が 50 コピー/mL 未満の患者の割合は,エファビレンツ群で 89%,ロピナビル・リトナビル群で 77%,NRTI 非使用群で 83%であった(エファビレンツ群とロピナビル・リトナビル群の比較について P=0.003).毒性作用による投与中止までの時間には,群間で有意差は認められなかった.ウイルス学的失敗時の抗レトロウイルス薬耐性変異は,NRTI 非使用群のほうがほかの 2 群よりも高頻度にみられた.

結 論

ウイルス学的失敗は,エファビレンツ群のほうがロピナビル・リトナビル群よりも少ない傾向にあった.NRTI を使用しないレジメンのウイルス学的有効性は,エファビレンツレジメンと同程度であったが,薬剤耐性と関連する傾向がより強かった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00050895)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 2095 - 106. )