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January 24, 2008 Vol. 358 No. 4

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ベアメタルステントと薬剤溶出性ステントの適応外使用に関する比較
A Comparison of Bare-Metal and Drug-Eluting Stents for Off-Label Indications

O.C. Marroquin and Others

背景

最近の報告で,薬剤溶出性ステントの適応外使用は,有害事象の発生率の増加と関連することが示唆されている.ベアメタルステントを使用することで,異なる結果が得られるかどうかは明らかにされていない.

方 法

米国国立心肺血液研究所の大規模動的登録(National Heart, Lung, and Blood Institute Dynamic Registry)の患者 6,551 例のデータを,薬剤溶出性ステントとベアメタルステントのどちらで治療を受けたか,そしてそれが標準的使用か適応外使用かについて分析した.患者の心血管イベントおよび死亡の発生率について 1 年間追跡した.適応外使用は,再狭窄病変,バイパス術における病変,左冠動脈疾患,動脈口病変・分岐部病変・完全閉塞病変への使用,ならびに基準血管の直径が 2.5 mm 未満または 3.75 mm を超える患者,あるいは病変長が 30 mm を超える患者への使用と定義した.

結 果

適応外使用は,全ベアメタルステント患者の 54.7%,薬剤溶出性ステント患者の 48.7%で行われていた.ベアメタルステント群に比べて,薬剤溶出性ステント群のほうが,糖尿病,高血圧,腎疾患,経皮的冠動脈インターベンションおよび冠動脈バイパス術の施行歴,多枝冠動脈疾患を有する率が高かった.しかし,介入後 1 年目の時点で,薬剤溶出性ステント群における死亡または心筋梗塞の補正リスクには,ベアメタルステント群と比較して有意差はなかったが,血行再建術再施行のリスクは薬剤溶出性ステント群で有意に低かった.

結 論

適応外使用が行われた患者のうち,薬剤溶出性ステントを使用した場合,ベアメタルステントを使用した場合と比較して,1 年目の時点の死亡または心筋梗塞のリスクに増加はみられなかったが,血行再建術の再施行率はより低かった.これらの結果から,適応外使用の場合には薬剤溶出性ステントが支持される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 342 - 52. )