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February 14, 2008 Vol. 358 No. 7

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超早期産児に対する出生時の経鼻的 CPAP と挿管の比較
Nasal CPAP or Intubation at Birth for Very Preterm Infants

C.J. Morley and Others

背景

気管支肺異形成症は,人工換気と酸素投与に関連している.この無作為化試験では,超早期産児において,出生直後の経鼻的持続気道陽圧療法(CPAP)により,挿管および人工換気と比べて,気管支肺異形成症や死亡の発生率が減少するかどうかを検討した.

方 法

在胎週数 25~28 週で出生した乳児 610 例を,出生後 5 分で CPAP を行う群と,挿管および人工換気を行う群のいずれかに無作為に割り付けた.生後 28 日の時点,在胎週数で 36 週の時点,および退院前に転帰を評価した.

結 果

在胎週数 36 週の時点で,死亡または気管支肺異形成症が確認されたのは,CPAP 群では 307 例中 33.9%であったのに対し,挿管群では 303 例中 38.9%であった(CPAP 優位を示すオッズ比 0.80,95%信頼区間 [CI] 0.58~1.12,P=0.19).生後 28 日の時点の死亡リスクおよび酸素療法の必要性は,CPAP 群のほうが挿管群よりも低かった(オッズ比 0.63,95% CI 0.46~0.88,P=0.006).全死亡率にはほとんど差はなかった.CPAP 群では,乳児の 46%が生後 5 日間に挿管を受け,サーファクタントの使用は挿管群の半分であった.気胸の発生率は,CPAP 群で 9%であったのに対し,挿管群では 3%であった(P<0.001).そのほかに重篤な有害事象はみられなかった.CPAP 群のほうが人工換気を行った日数が短かった.

結 論

在胎週数 25~28 週で出生した乳児に対して早期に経鼻的 CPAP を行っても,挿管と比較して,死亡や気管支肺異形成症の発生率は有意には減少しなかった.CPAP 群では気胸の発生率がより高かったものの,生後 28 日の時点で酸素投与を受けていた乳児はより少なく,人工換気を行った日数はより短かった.(Australian New Zealand Clinical Trials Registry 番号:12606000258550)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 700 - 8. )