October 2, 2008 Vol. 359 No. 14
1 型糖尿病に対する持続血糖モニタリングと積極的治療
Continuous Glucose Monitoring and Intensive Treatment of Type 1 Diabetes
The Juvenile Diabetes Research Foundation Continuous Glucose Monitoring Study Group
1 型糖尿病の管理における持続血糖モニタリングの有用性については明らかにされていない.
多施設共同臨床試験において,すでに 1 型糖尿病に対する積極的治療を受けている成人・小児患者 322 例を,持続血糖モニタリングを行う群と,家庭で血糖測定器によるモニタリングを行う対照群に無作為に割り付けた.全患者を,年齢により 3 つの群に層別化した.糖化ヘモグロビン値は 7.0~10.0%であった.主要転帰は,26 週の時点での糖化ヘモグロビン値の変化とした.
両群における糖化ヘモグロビン値の変化には,年齢群で顕著なばらつきがあり(P=0.003),25 歳以上の患者では持続血糖モニタリング群を支持する有意な差を認めた(変化の平均の差 -0.53%,95%信頼区間 [CI] -0.71~-0.35,P<0.001).群間差は,15~24 歳の群(平均の差 0.08,95% CI -0.17~0.33,P=0.52)と,8~14 歳の群(平均の差 -0.13,95% CI -0.38~0.11,P=0.29)では有意ではなかった.糖化ヘモグロビン値の副次的転帰は,25 歳以上の患者群と 8~14 歳の患者群では持続血糖モニタリング群のほうが対照群よりも良好であったが,15~24 歳の患者群では差は認められなかった.持続血糖モニタリングを週平均 6.0 日以上行ったのは,25 歳以上の患者群の 83%,15~24 歳の患者群の 30%,8~14 歳の患者群の 50%であった.重度の低血糖の割合は低く,両群で差はなかった.しかし,この試験には,このような差を検出する検出力がなかった.
持続血糖モニタリングは,1 型糖尿病の成人患者における血糖コントロールの改善と関連する可能性がある.小児や青年における持続モニタリングの有効性に対する障壁を明らかにするためには,さらなる研究が必要である.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00406133)
本論文(10.1056/NEJMoa0805017)は,2008 年 9 月 8 日に www.nejm.org で発表された.