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January 15, 2009 Vol. 360 No. 3

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体外受精後の累積生児獲得率
Cumulative Live-Birth Rates after In Vitro Fertilization

B.A. Malizia, M.R. Hacker, and A.S. Penzias

背景

体外受精(in vitro fertilization:IVF)治療の成績は,従来,IVF 周期あたりの妊娠数として報告されている.しかし,カップルの主な関心は,全治療経過における生児出産の可能性にある.

方 法

単一の大規模施設で,2000~05 年に初回新鮮胚・非ドナー IVF 周期の治療を受けた患者における累積生児獲得率を評価した.治療中止または生児出産までカップルを追跡した.解析は,母体年齢で層別化し,楽観的な手法および控え目な手法を用いて行った.楽観的な手法では,その後の IVF 周期治療を受けに再来院しなかった患者について,治療を継続した患者と同様に生児出産につながる妊娠の可能性があると仮定した.控え目な手法では,再来院しなかった患者には生児出産がなかったと仮定した.

結 果

14,248 周期を施行した 6,164 例において,6 周期後の累積生児獲得率は,楽観的な解析で 72%(95%信頼区間 [CI] 70~74),控え目な解析で 51%(95% CI 49~52)であった.35 歳未満の患者では,6 周期後の累積生児獲得率はそれぞれ 86%(95% CI 83~88),65%(95% CI 64~67)であった.40 歳以上の患者では,それぞれ 42%(95% CI 37~47),23%(95% CI 21~25)であった.累積生児獲得率は年齢の上昇とともに低下し,年齢層別化曲線(35 歳未満 対 40 歳以上)には相互に有意差が認められた(P<0.001).

結 論

今回の結果から,IVF により若年女性の不妊症の大部分を克服できる可能性はあるが,妊娠率の年齢依存的な低下を逆転することはできないことが示された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 236 - 43. )