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January 15, 2009 Vol. 360 No. 3

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C 型肝炎のラテン系白人患者と非ラテン系白人患者に対するペグインターフェロン α-2a とリバビリンの投与
Peginterferon Alfa-2a and Ribavirin in Latino and Non-Latino Whites with Hepatitis C

M. Rodriguez-Torres and Others

背景

C 型肝炎ウイルス(HCV)感染において,人種は治療反応に影響する因子であることが示されている.データは限られているが,民族的背景もまた同様の因子である可能性が示されている.しかし,ラテン系およびその他の民族サブグループについては,臨床試験で十分に検討されていない.過去に治療を受けていない HCV 遺伝子型 1 型感染患者を対象として,ペグインターフェロン α-2a とリバビリンによる治療に対する反応に,ラテン系の民族的背景が影響するどうかを検討した.

方 法

多施設共同非無作為化非盲検前向き試験で,HCV に感染したラテン系白人患者 269 例と非ラテン系白人患者 300 例を対象に,ペグインターフェロン α-2a 180 μg/週とリバビリン 1,000 mg/日または 1,200 mg/日を 48 週間投与し,72 週間追跡した.主要エンドポイントは持続的なウイルス学的反応とした.父母と祖父母がスペイン語を第一言語とするラテン系患者を対象とし,白人でないラテン系患者は除外した.

結 果

ベースライン特性は,ラテン系群と非ラテン系群で同等であったが,ラテン系群のほうが, 40 歳以下,体格指数(BMI,体重 [kg]/身長 [m] 2)27 以上または 30 以上,肝硬変である患者の割合が高かった.持続的ウイルス学的反応率は,非ラテン系白人のほうがラテン系よりも高かった(49% 対 34%,P<0.001).血清 HCV RNA が消失する割合は,4 週目(P=0.045),および全投与期間を通じて(ほかのすべての比較について P<0.001)非ラテン系白人のほうが高かった.ラテン系・非ラテン系の民族的背景は,ベースラインの BMI,肝硬変の有無,その他の特性の差で補正した解析において,持続的ウイルス学的反応率の独立した予測因子であった.治療遵守に群間で有意差はなかった.有害事象が発生し用量を調整した患者の数は両群で同等であったが,有害事象による治療中止はラテン系群のほうが少なかった.

結 論

HCV 遺伝子型 1 型感染患者に対しペグインターフェロン α-2a とリバビリンを 48 週間投与した結果,持続的ウイルス学的反応率はラテン系白人のほうが非ラテン系白人よりも低かった.ラテン系患者の持続的ウイルス学的反応を向上させる戦略が必要である.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00107653)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 257 - 67. )