治療歴のある慢性 HCV 感染患者に対するテラプレビル
Telaprevir for Previously Treated Chronic HCV Infection
J.G. McHutchison and Others
遺伝子型 1 の C 型肝炎ウイルス(HCV)に感染し,ペグインターフェロンαとリバビリンによる治療ではウイルスを排除できなかった患者では,再治療が成功する可能性が低い.
遺伝子型 1 の HCV に感染しペグインターフェロンαとリバビリンによる治療ではウイルス排除(sustained virologic response:SVR)が得られなかった患者を,以下の 4 つの投与群のいずれかに無作為に割り付けた;テラプレビル(telaprevir)(初回 1,125 mg,その後 8 時間ごとに 750 mg)を 12 週間とペグインターフェロンα-2a(180 mg/週)+リバビリン(体重に応じて 1,000 mg/日または 1,200 mg/日)を 24 週間投与する T12PR24 群 115 例,テラプレビルを 24 週間とペグインターフェロンα-2a+リバビリン(用量は T12PR24 群と同じ)を 48 週間投与する T24PR48 群 113 例,テラプレビルとペグインターフェロンα-2a(用量は T12PR24 群と同じ)を 24 週間投与する T24P24 群 111 例,ペグインターフェロンα-2a+リバビリン(用量は T12PR24 群と同じ)を 48 週間投与する PR48群(対照群) 114 例.主要エンドポイントは SVR(試験薬の最終投与後 24 週で HCV RNA 濃度が検出不能)とした.
3 つのテラプレビル群の SVR 率(T12PR24 群 51%,T24PR48 群 53%,T24P24 群 24%)は,対照群(14%)に比べて有意に高かった(それぞれ P<0.001,P<0.001,P=0.02).反応率は,過去に再発がみられた患者のほうが過去に SVR が得られなかった患者よりも高かった.テラプレビル群でもっとも多くみられた有害事象の一つは発疹であった(全体の 51%で発現し,5%は重度).有害事象による試験薬の中止は,テラプレビル群のほうが対照群より多かった(15% 対 4%).
初回のペグインターフェロンα+リバビリン療法が失敗した HCV 感染患者に対する再治療では,ペグインターフェロンα-2a+リバビリンにテラプレビルを併用したほうが,ペグインターフェロンα-2a+リバビリンのみに比べて効果が高かった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00420784)