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April 8, 2010 Vol. 362 No. 14

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内科研修の見直しイニシアチブの評価
Evaluation of a Redesign Initiative in an Internal-Medicine Residency

G.T. McMahon and Others

背景

卒後医学教育の包括的な見直しを複数の組織が提唱しているが,見直しによる患者の満足度,レジデント・インターン(研修医)の満足度,および患者ケアの指標にどのような効果が現れるかは明らかにされていない.

方 法

レジデントの業務量を減らした実験的な内科病棟研修を計画し,2 チームで比較した.各チームの構成は,指導医 2 人,レジデント 2 人,インターン 3 人とした.指導医は教育能力をもとに選出し,勤務時間中と教育回診時にチームを監督した.この実験モデルを,レジデント 1 人とインターン 2 人,参加を志願した複数の指導医を加えた対照モデル 2 チームと比較した.患者を実験チームと対照チームに交互に割り付け,インターンが担当する患者数を制限した.

結 果

12 ヵ月間で,患者 1,892 例を実験チーム群に,2,096 例を対照チーム群に割り付けた.インターンあたりの平均患者数はそれぞれ 3.5 例と 6.6 例であった.全体的な満足度は,実験チーム群の研修医のほうが対照チーム群の研修医よりも有意に高かった(それぞれ 78%と 55%,P=0.002).対照チーム群に比べて,実験チーム群のほうが平均入院期間の長期化や再入院率の上昇との関連は小さかった.入院患者のケアの質に関する基準の遵守率は,実験チーム群と対照チーム群で同程度であった.実験チーム群のインターンは,対照チーム群のインターンよりも学習・教育的活動により多くの時間を費やした(学習:合計時間の 20% 対 10%,P=0.01;教育:合計時間の 8% 対 2%,P=0.006).

結 論

従来の入院患者ケアモデルに比べて,研修医の業務量を減らして指導医の参加を増やした実験モデルでは,研修医の満足度が高く,教育的活動の時間が増えた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 1304 - 11. )