January 28, 2010 Vol. 362 No. 4
分娩モニタリング時の子宮収縮の内測法と外測法の転帰の比較
Outcomes after Internal versus External Tocodynamometry for Monitoring Labor
J.J.H. Bakker and Others
子宮内計測による陣痛測定は,子宮外モニタリングと比べて子宮収縮を正確に評価できるため,オキシトシンの投与量を効果的に調節でき,その結果,手術分娩や胎児仮死が減少するという仮説が立てられている.しかし,この仮説を検証するためのデータはほとんどない.
オランダの 6 つの病院において無作為化対照比較試験を行い,陣痛の誘発または促進を要した女性を対象に,子宮収縮の内測法と外測モニタリング法の効果を比較した.主要転帰は,帝王切開と器具を使用した経腟分娩を含む手術分娩率とした.副次的転帰は,分娩時の抗菌薬の使用,無作為化から出産までの時間,新生児の有害転帰(5 分後アプガースコア 7 未満,臍動脈血 pH 7.05 未満,新生児の入院期間 48 時間以上のいずれかに当てはまる場合と定義)などとした.
1,456 例の女性を内測法群(734 例)と外測法群(722 例)に無作為に割り付けた.手術分娩率は,内測法群 31.3%,外測法群 29.6%であった(内測法群の相対リスク 1.1,95%信頼性区間 [CI] 0.91~1.2).副次的転帰について,両群間に有意差はみられなかった.新生児の有害転帰発生率は,内測法群 14.3%,外測法群 15.0%であった(相対リスク 0.95,95% CI 0.74~1.2).子宮内圧測定カテーテルの使用に関連した重篤な有害事象は報告されなかった.
陣痛の誘発時や促進時に行う子宮収縮の内測法を,外測モニタリング法と比較したところ,手術分娩率,新生児の有害転帰発生率のいずれにも有意な低下はみられなかった.(Current Controlled Trials 番号:ISRCTN13667534,Netherlands Trial 番号:NTR285)