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April 21, 2011 Vol. 364 No. 16

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びまん性外傷性脳損傷に対する減圧開頭術
Decompressive Craniectomy in Diffuse Traumatic Brain Injury

D.J. Cooper and Others

背景

重症外傷性脳損傷による頭蓋内圧亢進で治療抵抗性の患者の機能転帰が,減圧開頭術によって改善するかどうかは明らかではない.

方 法

2002 年 12 月~2010 年 4 月に,重症びまん性外傷性脳損傷による頭蓋内圧亢進で,第 1 段階の治療が無効であった成人患者 155 例を,両側前頭側頭頭頂骨減圧開頭術を行う群と標準治療を行う群のいずれかに無作為に割り付けた.当初の主要転帰は転帰不良(死亡,植物状態,重度障害の複合)とし,受傷後 6 ヵ月で拡張グラスゴー転帰尺度により評価した.最終的な主要転帰は,受傷後 6 ヵ月での拡張グラスゴー転帰尺度のスコアとした.

結 果

開頭術群の患者では,標準治療群の患者に比べて頭蓋内圧が治療閾値を上回った時間が少なく(P<0.001),頭蓋内圧亢進に対する介入が少なく(すべての比較について P<0.02),集中治療室(ICU)在室日数が少なかった(P<0.001).しかし,開頭術群では,標準治療群に比べて拡張グラスゴー転帰尺度のスコアがわるく(開頭術群におけるスコア悪化のオッズ比 1.84,95%信頼区間 [CI] 1.05~3.24,P=0.03),転帰不良のリスクが高かった(オッズ比 2.21,95% CI 1.14~4.26,P=0.02).6 ヵ月後の死亡率は,開頭術群(19%)と標準治療群(18%)で同程度であった.

結 論

重症びまん性外傷性脳損傷による頭蓋内圧亢進で治療抵抗性の成人患者において,早期の両側前頭側頭頭頂骨減圧開頭術により,頭蓋内圧が低下し,ICU 在室期間が短縮したが,転帰はより不良であった.(オーストラリア国立保健医療研究評議会ほかから研究助成を受けた.DECRA Australian Clinical Trials Registry 番号:ACTRN012605000009617)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 1493 - 502. )