The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

Share

RSS

日本語アブストラクト

February 17, 2011 Vol. 364 No. 7

ステージ 3+未熟児網膜症に対するベバシズマブ硝子体内投与の有効性
Efficacy of Intravitreal Bevacizumab for Stage 3+ Retinopathy of Prematurity

H.A. Mintz-Hittner, K.A. Kennedy, and A.Z. Chuang

背景

未熟児網膜症は,世界的に小児失明の主な原因である.従来のレーザー治療(コンフルエントレーザー治療)による周辺部網膜の焼灼は破壊的であり,合併症を引き起こし,とくに病変部位が ゾーン I の症例では視力低下を防ぐことができない場合がある.血管内皮増殖因子阻害薬による治療を受けた患者の症例集積研究により,これらの薬剤が未熟児網膜症の治療に有用である可能性が示唆されている.

方 法

多施設共同前向き無作為化層別化比較試験において,ゾーン I または ゾーン II 後極部のステージ 3+(plus disease [後極血管の拡張・蛇行] を認めるステージ 3)の未熟児網膜症に対する,ベバシズマブ硝子体内投与単独療法の効果を評価した.患児を,両眼にベバシズマブ(0.625 mg/0.025 mL 溶液)を硝子体内投与する群と,従来のレーザー治療を行う群のいずれかに無作為に割り付けた.主要な眼の転帰は,最終月経後 54 週までの,再治療を要する片眼または両眼の未熟児網膜症の再発とした.

結 果

150 例(計 300 眼)を登録した.最終月経後 54 週まで生存していたのは 143 例で,死亡した 7 例は主要転帰の解析から除外した.ベバシズマブ群の 4 例(140 眼中 6 眼 [4%])とレーザー治療群の 19 例(146 眼中 32 眼 [22%])で再発を認めた(P=0.002).ゾーン I 未熟児網膜症に対してはベバシズマブによる有意な治療効果が認められたが(P=0.003),ゾーン II 後極部未熟児網膜症に対しては認められなかった(P=0.27).

結 論

ステージ 3+ 未熟児網膜症患児へのベバシズマブ硝子体内投与単独療法には,従来のレーザー治療と比較して,ゾーン I 未熟児網膜症に対する有意な効果が認められたが,ゾーン II 後極部未熟児網膜症に対しては認められなかった.ベバシズマブ硝子体内投与後には周辺部網膜血管の継続的な発達がみられたが,従来のレーザー治療では周辺部網膜が恒久的に破壊された.本試験は安全性を評価するには規模が小さすぎた.(失明予防研究ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00622726)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 603 - 15. )