September 22, 2011 Vol. 365 No. 12
血液透析患者における透析間隔と死亡率
Long Interdialytic Interval and Mortality among Patients Receiving Hemodialysis
R.N. Foley and Others
透析を要する末期腎不全患者は,代謝と体液量が正常範囲から逸脱することへの耐容性が低い.また,このような患者では心血管疾患の有病率が高い.これらの問題を考慮し,透析間隔があくことは血液透析患者の有害イベントに関連するという仮説を立てた.
週 3 回の血液透析を受けている米国患者の代表的標本集団である末期腎不全臨床成績評価プロジェクトの参加者 32,065 例を対象に,2004~07 年の年末(暦年)に検証を行った.死亡率および心血管系に関連する入院率について,透析期間が 2 日あいた日と 1 日あいた日とで比較した.
コホートの平均年齢は 62.2 歳であった.患者の 24.2%では,透析期間は 1 年以下であった.平均 2.2 年の追跡期間において,透析間隔が 2 日あいた日のほうが,1 日あいた日よりも発生率が高かった事象は,全死因死亡(100 人年あたり 22.1 件 対 18.0 件,P<0.001),心臓を原因とする死亡(10.2 件 対 7.5 件,P<0.001),感染に関連した死亡(2.5 件 対 2.1 件,P=0.007),心停止による死亡(1.3 件 対 1.0 件,P=0.004),心筋梗塞による死亡(6.3 件 対 4.4 件,P<0.001),心筋梗塞による入院(6.3 件 対 3.9 件,P<0.001),うっ血性心不全による入院(29.9 件 対 16.9 件,P<0.001),脳卒中による入院(4.7 件 対 3.1 件,P<0.001),不整脈による入院(20.9 件 対 11.0 件,P<0.001),あらゆる心血管イベントによる入院(44.2 件 対 19.7 件,P<0.001)であった.
透析間隔が 2 日あくことで,血液透析患者のリスクは高くなる.(米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.)