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September 29, 2011 Vol. 365 No. 13

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禁煙に対するシチシンのプラセボ対照試験
Placebo-Controlled Trial of Cytisine for Smoking Cessation

R. West and Others

背景

α4β2 ニコチン性アセチルコリン受容体に高い親和性で結合する部分作動薬シチシン(cytisine)は,禁煙補助に有効である可能性がある低価格の治療薬である.この試験では,シチシンの有効性と安全性をプラセボと比較検討した.

方 法

単一施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験において,被験者を 25 日間シチシンを投与する群と,マッチさせたプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.試験期間中,両群の被験者は最小限のカウンセリングを受けた.主要評価項目は,治療終了後 12 ヵ月継続している,生化学的に確認された禁煙とした.スクリーニングを受けた成人喫煙者 1,542 人のうち 740 例を登録し,各群に 370 例ずつ無作為に割り付けた.

結 果

12 ヵ月禁煙継続率は,シチシン群 8.4%(31 例)に対し,プラセボ群 2.4%(9 例)であった(差 6.0 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 2.7~9.2,P=0.001).12 ヵ月の時点における 7 日間の点禁煙率は,シチシン群 13.2%,プラセボ群 7.3%であった(P=0.01).消化器の有害事象の頻度はシチシン群のほうが高かった(差 5.7 パーセントポイント,95% CI 1.2~10.2).

結 論

この単一施設試験では,シチシンはプラセボよりも禁煙に有効であった.シチシンは禁煙のための他の薬物療法より価格が低いため,世界的な禁煙の促進に利用しうる治療法となる可能性がある.(英国国立予防研究イニシアチブほかから研究助成を受けた.Current Controlled Trials 番号:ISRCTN37568749)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 1193 - 200. )