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March 28, 2013 Vol. 368 No. 13

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オフポンプ冠動脈バイパス術とオンポンプ冠動脈バイパス術の 1 年後の転帰の比較
Effects of Off-Pump and On-Pump Coronary-Artery Bypass Grafting at 1 Year

A. Lamy and Others

背景

われわれは以前に,心拍動下冠動脈バイパス術(オフポンプ CABG)を施行した患者と,人工心肺使用下冠動脈バイパス術(オンポンプ CABG)を施行した患者とで,30 日の時点では,死亡・心筋梗塞・脳卒中・透析を要する新規腎不全から成る主要複合転帰の発生率に有意差は認められないことを報告した.今回は,1 年の時点での QOL と認知機能,臨床転帰の結果を報告する.

方 法

CABG が予定されていた冠動脈疾患患者 4,752 例を登録し,オフポンプ群とオンポンプ群に無作為に割り付けた.登録は 19 ヵ国 79 施設で行われた.QOL と認知機能は退院時,30 日の時点,1 年の時点で評価し,臨床転帰は 1 年の時点で評価した.

結 果

1 年の時点での主要複合転帰の発生率に,オフポンプ群とオンポンプ群とで有意差は認められなかった(それぞれ 12.1%,13.3%;オフポンプ CABG のハザード比 0.91;95%信頼区間 [CI] 0.77~1.07;P=0.24).31 日以降 1 年未満の期間においても,主要転帰の発生率は 2 群で同程度であった(ハザード比 0.79;95% CI 0.55~1.13;P=0.19).1 年の時点での再血行再建率は,オフポンプ群で 1.4%,オンポンプ群で 0.8%であった(ハザード比 1.66;95% CI 0.95~2.89;P=0.07).1 年の時点では,QOL 指標にも神経認知機能指標にも,群間で有意差は認められなかった.

結 論

CABG 後 1 年の時点で,オフポンプ CABG とオンポンプ CABG とのあいだに,主要複合転帰,再血行再建率,QOL,神経認知機能に関して有意差は認められなかった.(カナダ保健研究機構から研究助成を受けた.CORONARY ClinicalTrials.gov 番号:NCT00463294)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 1179 - 88. )