The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 6, 2013 Vol. 368 No. 23

コンゴの性暴力被害者に対する心理療法の対照試験
Controlled Trial of Psychotherapy for Congolese Survivors of Sexual Violence

J.K. Bass and Others

背景

性暴力被害者では,抑うつ,不安,心的外傷後ストレス障害(PTSD)の発生率が高い.性暴力に関連した症状に対する治療は,高所得国では有効であることが示されているが,低所得の紛争影響国ではエビデンスがない.

方 法

コンゴ民主共和国で行われたこの試験では,16 の村を,高レベルの PTSD 症状と抑うつ・不安症状を呈する性暴力被害女性に対して認知処理療法(個別セッション 1 回,グループセッション 11 回)を行う村と,個別支援を行う村に無作為に割り付けた.1 つの村では心理社会的支援者の能力に懸念があったため除外し,その結果 7 つの村で心理療法が行われ(157 人),8 つの村で個別支援が行われた(248 人).ベースライン,治療終了時,治療終了後 6 ヵ月の時点で,抑うつ・不安症状(ホプキンス症状チェックリストでの平均スコア [0~3 でスコアが高いほど重症であることを示す]),PTSD 症状(PTSD チェックリストでの平均スコア [0~3 でスコアが高いほど重症であることを示す]),機能障害(20 項目の作業全体の平均スコア [0~4 でスコアが高いほど障害が大きいことを示す])を評価した.

結 果

心理療法群の参加者の 65%と個別支援群の参加者の 52%が,全 3 回の評価を終えた.抑うつ・不安症状の平均スコアは個別支援群で改善したが(ベースライン 2.2,治療終了時 1.7,治療終了後 6 ヵ月 1.5),改善は心理療法群のほうが有意に大きかった(ベースライン 2.0,治療終了時 0.8,治療終了後 6 ヵ月 0.7)(すべての比較について P<0.001).PTSD と機能障害についても同様のパターンが認められた.治療後 6 ヵ月の時点で,心理療法群の参加者の 9%と個別支援群の参加者の 42%が抑うつまたは不安の可能性が高い状態の基準を満たし(P<0.001),PTSD についても同様の結果であった.

結 論

低所得の紛争影響国の性暴力被害者を対象としたこの試験では,グループ心理療法によって,PTSD 症状と抑うつ・不安症状が軽減し,機能が改善した.(米国国際開発庁拷問被害者基金,世界銀行から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01385163)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 2182 - 91. )