The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 31, 2013 Vol. 368 No. 5

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

限局性前立腺癌治療後の長期機能的転帰
Long-Term Functional Outcomes after Treatment for Localized Prostate Cancer

M.J. Resnick and Others

背景

この分析の目的は,根治的前立腺全摘除術,または放射線外照射療法後の,長期の排尿・排便・性機能を比較することである.

方 法

前立腺癌転帰試験(PCOS)では,1994 年または 1995 年に前立腺癌の診断を受けた男性 3,533 例が登録された.今回のコホートは,55~74 歳で限局性前立腺癌の診断を受け,手術を受けた男性(1,164 例)と,放射線療法を受けた男性(491 例)の計 1,655 例が対象である.機能の状態は,ベースラインと診断後 2 年,5 年,15 年の時点で評価した.多変量傾向スコアを用いて,治療群ごとの機能的転帰を比較した.

結 果

前立腺全摘除術群では,2 年の時点で尿失禁を有する確率が放射線療法群よりも高く(オッズ比 6.22,95%信頼区間 [CI] 1.92~20.29),5 年の時点でも高かった(オッズ比 5.10,95% CI 2.29~11.36).しかし,15 年の時点では尿失禁のオッズに群間で有意差は認められなかった.同様に,前立腺全摘除術群では,2 年の時点で勃起障害を有する確率が高く(オッズ比 3.46,95% CI 1.93~6.17),5 年の時点でも高かったが(オッズ比 1.96,95% CI 1.05~3.63),15 年の時点では群間で有意差は認められなかった.前立腺全摘除術群では,2 年の時点での便意切迫を有する率が低く(オッズ比 0.39,95% CI 0.22~0.68),5 年の時点でも低かったが(オッズ比 0.47,95% CI 0.26~0.84),これもまた 15 年の時点ではそのオッズ比に群間で有意差は認められなかった.

結 論

前立腺全摘除術を受けた男性と放射線療法を受けた男性とで,15 年の時点で,疾患特異的な機能的転帰に,有意な相対差は認められなかった.それにもかかわらず,限局性前立腺癌に対して治療を受けた男性では,15 年の追跡期間中に,すべての機能評価項目が低下することが多かった.(米国国立がん研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 436 - 45. )