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January 31, 2013 Vol. 368 No. 5

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肥満に関する神話,俗説,事実
Myths, Presumptions, and Facts about Obesity

K. Casazza and Others

背景

肥満に関する多くの信念は,それを支持する科学的エビデンスがないにもかかわらず存続し(俗説),なかには矛盾するエビデンスがあるにもかかわらず存続しているものもある(神話).エビデンスのない信念が普及することによって,不十分な情報に基づく政策決定,臨床および公衆衛生における誤った勧告,研究資源の無益な分配が起こるおそれがあり,また,エビデンスに基づく有用な情報から注意がそれる可能性がある.

方 法

有名メディアと科学文献をインターネットで検索することにより,肥満に関連する神話と俗説を同定し,検討と分類を行った.また,エビデンスによって十分に支持されている事実についても,公衆衛生,政策,臨床での勧告に実用的意義があるものに重点をおいて検討した.

結 果

肥満に関連する神話については,エネルギーの摂取または消費が少しずつ増加することの効果,減量の現実的な目標の設定,急激な減量,減量の準備,体育の授業,授乳,性的活動時の消費エネルギーの 7 つを同定した.俗説については,朝食の規則的な摂取についていわれている効果,幼少期の経験,果物・野菜の摂取,体重の増減,間食,構築(人工的)環境の 6 つを同定した.最後に,エビデンスによって支持されている事実については,健全な公衆衛生,政策,臨床での勧告の策定に関連している 9 つを同定した.

結 論

肥満に関する誤った,あるいは科学的なエビデンスのない信念は,科学文献と大衆メディアの両方で蔓延している.(米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 446 - 54. )