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June 19, 2014 Vol. 370 No. 25

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膀胱尿管逆流症患児に対する予防的抗菌薬投与
Antimicrobial Prophylaxis for Children with Vesicoureteral Reflux

The RIVUR Trial Investigators

背景

有熱性尿路感染症の患児には,膀胱尿管逆流症がよくみられる.逆流症患児に対する尿路感染症の再発予防を目的とした抗菌薬投与については,臨床試験の結果が限定的であり一貫性がないため,依然として意見が分かれている.

方 法

初回または 2 回目の有熱性または症候性の尿路感染症後に膀胱尿管逆流症と診断された小児 607 例を対象とした 2 年間の多施設共同無作為化プラセボ対照試験において,尿路感染症の再発予防にトリメトプリム・スルファメトキサゾールの予防的投与が有効であるかどうかを評価した(主要評価項目).副次的評価項目は,腎瘢痕,治療失敗(再発と瘢痕の複合),抗菌薬耐性とした.

結 果

尿路感染症が再発した児は,予防的投与群 302 例中 39 例に対し,プラセボ群 305 例中 72 例であった(相対リスク 0.55,95%信頼区間 [CI] 0.38~0.78).予防的投与によって再発リスクは 50%低下し(ハザード比 0.50,95% CI 0.34~0.74),とくに,初回または 2 回目の尿路感染症が有熱性であった児(ハザード比 0.41,95% CI 0.26~0.64)と,ベースラインで排尿・排便障害がみられた児(ハザード比 0.21,95% CI 0.08~0.58)に有効であった.腎瘢痕発生率には,予防的投与群とプラセボ群とのあいだで有意差は認められなかった(それぞれ 11.9%,10.2%).大腸菌(Escherichia coli)が原因で初回再発をきたした 87 例において,トリメトプリム・スルファメトキサゾール耐性分離株の割合は,予防的投与群 63%,プラセボ群 19%であった.

結 論

尿路感染症後に膀胱尿管逆流症と診断された小児において,予防的抗菌薬投与は,再発リスクの大幅な低減に関連したが,腎瘢痕リスクの低減には関連しなかった.(米国国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所ほかから研究助成を受けた.RIVUR 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00405704)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 2367 - 76. )