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June 19, 2014 Vol. 370 No. 25

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非癌性疼痛患者のオピオイド誘発性便秘に対するナロキセゴール
Naloxegol for Opioid-Induced Constipation in Patients with Noncancer Pain

W.D. Chey and Others

背景

オピオイド誘発性便秘は,高頻度にみられる消耗性疾患である.われわれは,オピオイド誘発性便秘の治療薬として,経口末梢性μオピオイド受容体拮抗薬であるナロキセゴール(naloxegol)の有効性と安全性を検討した.

方 法

2 つの同一の第 3 相二重盲検試験(04 試験:652 例,05 試験:700 例)において,非癌性疼痛およびオピオイド誘発性便秘を有する外来患者を,ナロキセゴール 12.5 mg/日群,25 mg/日群,プラセボ群に無作為に割り付けた.主要評価項目は,intention-to-treat 集団の 12 週間にわたる改善率(自然排便が週 3 回以上あり,12 週のうち 9 週以上,かつ最後の 4 週のうち 3 週以上で自然排便の回数がベースラインから 1 回以上増加すること)とした.主な副次的評価項目は,登録前に下剤の効果が不十分であった患者サブグループにおける改善率,投与開始後最初の自然排便までの期間,1 週間のうちに自然排便が 1 回以上あった日数の平均とした.

結 果

改善率は,ナロキセゴール 25 mg 群のほうがプラセボ群より有意に高かった(intention-to-treat 集団:04 試験では 44.4% 対 29.4%,P=0.001;05 試験では 39.7% 対 29.3%,P=0.02;下剤の効果が不十分であった患者集団:04 試験では 48.7% 対 28.8%,P=0.002;05 試験では 46.8% 対 31.4%,P=0.01).04 試験では,ナロキセゴール 12.5 mg 群でもプラセボ群より改善率が高かった(intention-to-treat 集団:40.8% 対 29.4%,P=0.02;下剤の効果が不十分であった患者集団:42.6% 対 28.8%,P=0.03).両試験のナロキセゴール 25 mg 群(P<0.001)と,04 試験のナロキセゴール 12.5 mg 群(P<0.001)では,プラセボ群と比較して,投与開始後最初の自然排便までの期間が短く,1 週間のうちに自然排便が 1 回以上あった日数の平均が高かった.疼痛スコアとオピオイドの 1 日投与量は 3 群間で同程度であった.有害事象(主に消化器系)は,ナロキセゴール 25 mg 群でもっとも頻度が高かった.

結 論

ナロキセゴールはプラセボと比較して,オピオイドによる鎮痛作用を低下させることなく,有意に高い治療効果を示した.(AstraZeneca 社から研究助成を受けた.KODIAC-04 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01309841,KODIAC-05 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01323790)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 2387 - 96. )