The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

September 11, 2014 Vol. 371 No. 11

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

フィラデルフィア染色体様急性リンパ性白血病における標的化可能なキナーゼ活性化病変
Targetable Kinase-Activating Lesions in Ph-like Acute Lymphoblastic Leukemia

K.G. Roberts and Others

背景

フィラデルフィア染色体様急性リンパ性白血病(Ph-like ALL)は,BCR–ABL1 陽性 ALL と類似した遺伝子発現プロファイル,リンパ系転写因子をコードする遺伝子の変異,予後不良を特徴とする.Ph-like ALL における遺伝子変異の頻度と範囲,およびチロシンキナーゼ阻害に対する感受性は,とくに青年と成人については明らかにされていない.

方 法

B 前駆細胞性 ALL 患者 1,725 例のゲノムプロファイリングと,Ph-like ALL 患者 154 例の詳細なゲノム解析を行った.マウス B 前駆細胞とヒト Ph-like ALL の異種移植モデルにおいて,融合蛋白の機能的影響とチロシンキナーゼ阻害薬の有効性を検討した.

結 果

Ph-like ALL の頻度は,標準リスクの ALL 患児の 10%から,ALL 若年成人患者では 27%と,年齢とともに上昇した.また,Ph-like ALL は予後不良に関連した.キナーゼ活性化変異は Ph-like ALL 患者の 91%で同定され,とくに頻度が高かったのは ABL1ABL2CRLF2CSF1REPORJAK2NTRK3PDGFRBPTK2BTSLPTYK2 の再構成と,FLT3IL7RSH2B3 の配列変異であった.ABL1,ABL2,CSF1R,JAK2,PDGFRB の融合の発現によって,リン酸化 STAT5 がサイトカイン非依存性に増殖し,活性化した.ABL1,ABL2,CSF1R,PDGFRB の融合を発現する細胞株およびヒト白血病細胞は in vitro でダサチニブに感受性を,EPOR,JAK2 の再構成はルキソリチニブ(ruxolitinib)に感受性を示し,ETV6–NTRK3 融合はクリゾチニブに感受性を示した.

結 論

Ph-like ALL は,一部のシグナル伝達経路を活性化させる一連のゲノム変異を特徴とすることが明らかにされた.これらのシグナル伝達経路はすべて,承認されているチロシンキナーゼ阻害薬によって阻害される可能性がある.現行の治療法にチロシンキナーゼ阻害薬を追加することで Ph-like ALL 患者の生存が改善されるかどうかを評価するためには,Ph-like ALL を同定する試験が必要である.(米国・レバノン・シリア共同慈善基金ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 1005 - 15. )