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July 3, 2014 Vol. 371 No. 1

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脊柱管狭窄症に対するグルココルチコイド硬膜外注射の無作為化試験
A Randomized Trial of Epidural Glucocorticoid Injections for Spinal Stenosis

J.L. Friedly and Others

背景

グルココルチコイド硬膜外注射は,高齢成人の疼痛と障害の原因として多い,腰部脊柱管狭窄症の症状の治療に広く用いられている.しかし,グルココルチコイド硬膜外注射の有効性と安全性に関する厳密なデータは得られていない.

方 法

二重盲検多施設共同試験において,中心性腰部脊柱管狭窄症と中等度~重度の下肢疼痛および障害を有する患者 400 例を,グルココルチコイドとリドカインを硬膜外注射する群と,リドカインを単独で硬膜外注射する群に無作為に割り付けた.患者は,無作為化および初回注射後 6 週の時点で行う主要評価項目の評価の前に,1~2 回の注射を受けた.主要評価項目は,Roland–Morris 障害質問票(Roland–Morris Disability Questionnaire:RMDQ)のスコア(0~24 のスコアで,高いほど身体障害が重度であることを示す)と,下肢疼痛の強度の評価(0~10 のスコアで,0 は無痛,10 は「これ以上ないほどの疼痛」を示す)とした.

結 果

6 週の時点で,RMDQ スコア(グルココルチコイド+リドカイン群とリドカイン単独群とで治療効果の平均を補正した後の差 -1.0 ポイント,95%信頼区間 [CI] -2.1~0.1,P=0.07)にも,下肢疼痛の強度(治療効果の平均の補正後の差 -0.2 ポイント,95% CI -0.8~0.4,P=0.48)にも,群間で有意差は認められなかった.事前に規定した,注射の種類で層別化した副次的サブグループ解析(経椎弓間 対 経椎間孔)においても,6 週の時点で有意差は認められなかった.

結 論

腰部脊柱管狭窄症の治療において,グルココルチコイド+リドカインの硬膜外注射を行っても,リドカイン単独の硬膜外注射と比較して短期的利益はほとんど,あるいはまったく得られなかった.(米国医療研究品質局から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01238536)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 11 - 21. )