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July 17, 2014 Vol. 371 No. 3

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治療歴のある慢性リンパ性白血病に対するイブルチニブとオファツムマブとの比較
Ibrutinib versus Ofatumumab in Previously Treated Chronic Lymphoid Leukemia

J.C. Byrd and Others

背景

慢性リンパ性白血病(CLL)や小リンパ球性リンパ腫(SLL)の患者では,初回治療の奏効期間が短いことや,有害な細胞遺伝学的異常が,転帰不良に関連する.われわれは,転帰が不良となるリスクのある患者において,共有結合型ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬イブルチニブ(ibrutinib)の有効性を評価した.

方 法

多施設共同非盲検第 3 相試験において,再発または難治性の CLL または SLL の患者 391 例を,イブルチニブを 1 日 1 回投与する群と,抗 CD20 抗体オファツムマブを投与する群に無作為に割り付けた.主要評価項目は無増悪生存期間とし,副次的評価項目は全生存期間と全奏効率とした.

結 果

追跡期間中央値 9.4 ヵ月の時点で,イブルチニブによる無増悪生存期間の有意な延長が認められた.無増悪生存期間中央値は,イブルチニブ群では未到達(6 ヵ月時点での無増悪生存率は 88%)であったのに対し,オファツムマブ群では 8.1 ヵ月であった(イブルチニブ群における増悪または死亡のハザード比 0.22,P<0.001).イブルチニブによって,全生存期間にも有意な延長が認められた(死亡のハザード比 0.43,P=0.005).12 ヵ月の時点での全生存率は,イブルチニブ群 90%,オファツムマブ群 81%であった.全奏効率は,イブルチニブ群のほうがオファツムマブ群よりも有意に高かった(42.6% 対 4.1%,P<0.001).イブルチニブ投与患者では,そのほかに 20%でリンパ球増多を伴う部分奏効が得られた.染色体 17p13.1 欠失を有する患者,プリン拮抗薬に対する抵抗性を有する患者においても,同程度の効果が認められた.血液以外の有害事象で頻度が高かったのは,イブルチニブ群では下痢,疲労,発熱,悪心であり,オファツムマブ群では疲労,投与時反応,咳嗽であった.

結 論

治療歴のある CLL または SLL の患者において,イブルチニブによって,オファツムマブと比較して,無増悪生存期間,全生存期間,奏効率が有意に改善した.(Pharmacyclics 社,Janssen 社から研究助成を受けた.RESONATE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01578707)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 213 - 23. )