The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 30, 2015 Vol. 372 No. 18

EGFR 阻害薬耐性非小細胞肺癌に対する AZD9291
AZD9291 in EGFR Inhibitor–Resistant Non–Small-Cell Lung Cancer

P.A. Jänne and Others

背景

EGFR 変異が認められる肺癌(EGFR 変異陽性肺癌)患者において,上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬に対する耐性獲得機構としてもっとも多いのは EGFR T790M 変異である.前臨床モデルでは,EGFR 阻害薬 AZD9291 が,EGFR チロシンキナーゼ阻害薬活性化変異と T790M 耐性変異の両方に有効であることが示されている.

方 法

EGFR チロシンキナーゼ阻害薬による前治療後に画像検査で病勢進行が確認された進行肺癌患者を対象に,AZD9291 を 20~240 mg の 5 段階の用量で 1 日 1 回投与した.用量漸増コホートと用量拡大コホートを設定した.拡大コホートの患者は,EGFR T790M の有無を中央で判定するため試験前の腫瘍生検を必須とした.安全性,薬物動態,有効性について患者を評価した.

結 果

計 253 例に治療を行った.用量漸増コホートに登録した 31 例では,評価した用量に用量制限毒性は認められなかった.別の 222 例を 5 段階の用量拡大コホートに割り付け,治療を行った.あらゆる原因による有害事象で頻度が高かったのは,下痢,発疹,悪心,食欲減退であった.客観的腫瘍縮小効果が認められた割合は 51%(95%信頼区間 [CI] 45~58)であった.中央判定で EGFR T790M が陽性であった患者のうち,評価しえた 127 例における奏効率は 61%(95% CI 52~70)であった.一方,中央判定で EGFR T790M が陰性であった患者のうち,評価しえた 61 例における奏効率は 21%(95% CI 12~34)であった.無増悪生存期間中央値は,EGFR T790M 陽性患者で 9.6 ヵ月(95% CI 8.3~未到達),EGFR T790M 陰性患者で 2.8 ヵ月(95% CI 2.1~4.3)であった.

結 論

EGFR チロシンキナーゼ阻害薬による前治療中に増悪をきたした EGFR T790M 変異陽性肺癌患者において,AZD9291 は高い活性を示した.(AstraZeneca 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01802632)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 1689 - 99. )