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April 30, 2015 Vol. 372 No. 18

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EGFR 変異陽性非小細胞肺癌に対するロシレチニブ
Rociletinib in EGFR-Mutated Non–Small-Cell Lung Cancer

L.V. Sequist and Others

背景

上皮成長因子受容体をコードする遺伝子(EGFR)に変異が認められる非小細胞肺癌(NSCLC)は,既承認の EGFR 阻害薬に感受性を示すが,耐性が発現する例があり,その大半は EGFR T790M 変異によるものである.ロシレチニブ(rociletinib)(CO-1686)は,T790M の有無を問わず EGFR 変異陽性 NSCLC の前臨床モデルで活性が認められている EGFR 阻害薬である.

方 法

既存の EGFR 阻害薬による前治療中に病勢進行をきたした EGFR 変異陽性 NSCLC 患者を対象とした第 1/2 相試験において,ロシレチニブを投与した.拡大期間(第 2 相試験)では,T790M 陽性腫瘍を有する患者に,ロシレチニブを 500 mg 1 日 2 回,625 mg 1 日 2 回,750 mg 1 日 2 回のいずれかの用量で投与した.主目的は,ロシレチニブの安全性,副作用プロファイル,薬物動態,予備的抗腫瘍活性を評価することであった.T790M を同定するためスクリーニング時に腫瘍生検を行った.薬剤投与は連続する 21 日サイクルで行った.

結 果

計 130 例を登録した.最初に登録した 57 例は,遊離塩基ロシレチニブ(150 mg 1 日 1 回~900 mg 1 日 2 回)の投与を受けた.残りの患者は,臭化水素酸塩(HBr)ロシレチニブ(500 mg 1 日 2 回~1,000 mg 1 日 2 回)の投与を受けた.最大耐用量(用量制限毒性発現率が 33%未満にとどまる最大の投与量)は同定されなかった.頻度が高かった用量制限有害事象は,高血糖のみであった.遊離塩基ロシレチニブの 900 mg 1 日 2 回の投与を受けた患者と,すべての用量の HBr ロシレチニブ投与を受けた患者を対象とした有効性解析における客観的奏効率は,T790M 陽性腫瘍を有する患者のうち,評価しえた 46 例では 59%(95%信頼区間 [CI] 45~73),T790M 陰性腫瘍を有する患者のうち,評価しえた 17 例では 29%(95% CI 8~51)であった.

結 論

T790M 耐性変異を伴う EGFR 変異陽性 NSCLC 患者において,ロシレチニブは活性を示した.(Clovis Oncology 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01526928)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 1700 - 9. )