持続性心房細動に対するカテーテルアブレーションのアプローチ
Approaches to Catheter Ablation for Persistent Atrial Fibrillation
A. Verma and Others
持続性心房細動に対するカテーテルアブレーションは,発作性心房細動に対する場合と比較して成功率が低い.ガイドラインでは,持続性心房細動に対しては,肺静脈隔離術に加えて補助的に基質を治療する必要があることが示唆されている.
持続性心房細動患者 589 例を,肺静脈隔離術のみでアブレーションを行う群(67 例),肺静脈隔離術に加えて連続性分裂電位アブレーションを行う群(263 例),肺静脈隔離術に加えて左房天蓋部から僧帽弁峡部にかけての線状アブレーションを行う群(259 例)に,1:4:4 の割合で無作為に割り付けた.追跡期間は 18 ヵ月とした.主要評価項目は,1 回のアブレーション後に,30 秒を超える持続性心房細動の再発が認められないこととした.
処置時間は,肺静脈隔離術単独群が他の 2 群と比較して有意に短かった(P<0.001).18 ヵ月後,心房細動の再発を認めなかった患者は,肺静脈隔離術単独群 59%,肺静脈隔離術+連続性分裂電位アブレーション群 49%,肺静脈隔離術+線状アブレーション群 46%であった(P=0.15).2 回のアブレーション後に心房細動が認められないこと,心房性不整脈が認められないことなどの副次的評価項目についても 3 群で有意差は認められなかった.合併症は心タンポナーデ(3 例),脳梗塞または一過性脳虚血発作(3 例),左房食道瘻(1 例)などがあった.
持続性心房細動患者において,肺静脈隔離術に加えて線状アブレーションまたは連続性分裂電位アブレーションを行っても,心房細動の再発率に低下は認められなかった.(St. Jude Medical 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01203748)