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January 15, 2015 Vol. 372 No. 3

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高カリウム血症に対するジルコニウムナトリウム環状ケイ酸塩
Sodium Zirconium Cyclosilicate in Hyperkalemia

D.K. Packham and Others

背景

高カリウム血症(血清カリウム値>5.0 mmol/L)は,心不全患者,慢性腎臓病(CKD)患者,糖尿病患者の死亡率の上昇に関連する.われわれは,新規の選択的陽イオン交換樹脂であるジルコニウムナトリウム環状ケイ酸塩(ZS-9)によって,高カリウム血症患者の血清カリウム値を低下させることが可能かどうかを検討した.

方 法

多施設共同 2 段階二重盲検第 3 相試験において,高カリウム血症患者 753 例を,ZS-9(投与量 1.25 g,2.5 g,5 g,10 g のいずれか)またはプラセボに無作為に割り付け,1 日 3 回,48 時間投与した(開始期).48 時間の時点で血清カリウム値が正常(3.5~4.9 mmol/L)であった患者を,ZS-9 またはプラセボに無作為に割り付け,3~14 日目に 1 日 1 回投与した(維持期).主要評価項目は,48 時間の時点での平均血清カリウム値の指数関数的変化の割合とした.

結 果

48 時間の時点で,平均血清カリウム値は,ベースラインの 5.3 mmol/L から,ZS-9 2.5 g 群では 4.9 mmol/L に,5 g 群では 4.8 mmol/L に,10 g 群では 4.6 mmol/L に低下し,低下の平均はそれぞれ 0.5 mmol/L,0.5 mmol/L,0.7 mmol/L であった(すべての比較について P<0.001).1.25 g 群とプラセボ群では 5.1 mmol/L に低下した(低下の平均 0.3 mmol/L).3~15 日目の血清カリウム値は,ZS-9 5 g 群では 4.7 mmol/L,ZS-9 10 g 群では 4.5 mmol/L で維持されていたのに対し,プラセボ群では 5.0 mmol/L を超えていた(すべての比較について P<0.01).有害事象の発現率は ZS-9 群とプラセボ群とで同程度であった(開始期は 12.9%と 10.8%,維持期は 25.1%と 24.5%).ZS-9 群,プラセボ群ともにもっとも頻度の高かった合併症は下痢であった.

結 論

ZS-9 を投与した高カリウム血症患者では,プラセボを投与した患者と比較して,48 時間の時点でのカリウム値に有意な低下が認められ,12 日間の維持療法中も正常値が維持された.(ZS Pharma 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01737697)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 222 - 31. )