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November 26, 2015 Vol. 373 No. 22

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習慣流産の女性におけるプロゲステロンの無作為化試験
A Randomized Trial of Progesterone in Women with Recurrent Miscarriages

A. Coomarasamy and Others

背景

プロゲステロンは妊娠の継続に不可欠である.しかし,原因不明の習慣流産の既往を有する女性に対して,妊娠第 1 期にプロゲステロンを補充することにより生児出生率が上昇するかどうかは明らかにされていない.

方 法

原因不明の習慣流産の女性にプロゲステロンを投与することにより,生児出生率と新生児生存率が上昇するかどうかを検討する目的で,多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った.習慣流産の女性を,1 日 2 回微粒子化プロゲステロン 400 mg を含有する腟坐剤を投与する群とマッチさせたプラセボを含有する腟坐剤を投与する群に無作為に割り付け,尿の妊娠反応が陽性となった直後(かつ妊娠 6 週まで)から妊娠 12 週まで投与した.主要評価項目は妊娠 24 週を過ぎての生児出生とした.

結 果

1,568 例の適格性を評価し,このうち 1 年以内に自然妊娠し,試験への参加意思が変わらなかった 836 例を,プロゲステロン群(404 例)とプラセボ群(432 例)に無作為に割り付けた.主要評価項目についての追跡率は 98.8%(836 例中 826 例)であった.intention-to-treat 解析では,生児出生率はプロゲステロン群 65.8%(398 例中 262 例),プラセボ群 63.3%(428 例中 271 例)であった(相対比 1.04,95%信頼区間 [CI] 0.94~1.15,率の差 2.5 パーセントポイント,95% CI -4.0~9.0).有害事象の発生率に群間で有意差は認められなかった.

結 論

原因不明の習慣流産の既往を有する女性に対して,妊娠第 1 期にプロゲステロン療法を実施しても生児出生率は有意には上昇しなかった.(英国国立衛生研究所から研究助成を受けた.PROMISE 試験:Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN92644181)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 2141 - 8. )