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August 6, 2015 Vol. 373 No. 6

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単純ヘルペスウイルス 2 型感染の予防のためのテノホビルゲル
Tenofovir Gel for the Prevention of Herpes Simplex Virus Type 2 Infection

S.S. Abdool Karim and Others

背景

単純ヘルペスウイルス 2 型(HSV-2)感染は,世界的にみて,外陰部潰瘍のもっともよくみられる原因である.世界保健機関の性感染症予防対策に向けたグローバル戦略の目標を達成するために,HSV-2 感染に対する有効な予防戦略が必要とされている.

方 法

南アフリカ・エイズ研究プログラムセンター(CAPRISA)が実施した二重盲検無作為化プラセボ対照試験,CAPRISA 004 試験に登録された HSV-2 陰性の女性 422 例のサブグループを対象に,抗ウイルス薬であるテノホビルの腟ゲルを性交時に塗布した場合の HSV-2 感染予防における有効性を評価した.新規 HSV-2 感染症例は,HSV-2 IgG 酵素免疫測定(ELISA)法を用いて,試験登録時と終了時に採取した血清検体で抗体陽転を認めるかどうかで同定し,ウエスタンブロット法を用いて確認した.

結 果

HSV-2 感染率は,テノホビルゲル群に割り付けられた 202 例では 100 人年あたり 10.2 例(95%信頼区間 [CI] 6.8~14.7)であったのに対し,プラセボゲル群に割り付けられた 222 例では 100 人年あたり 21.0 例(95% CI 16.0~27.2)であった(発生率比 0.49,95%CI 0.30~0.77,P=0.003). 腟内テノホビル濃度が 1 mL あたり 10,000 ng 以上であった 25 例における HSV-2 感染率は 100 人年あたり 5.7 例であったのに対し,腟内でテノホビルが検出不能であった103 例では 100 人年あたり 15.5 例であった(発生率比 0.37,95% CI 0.04~1.51,P=0.14). ウエスタンブロット法による確認では,HSV-2 の抗体陽転は,テノホビルゲル群では 16 例で認められたのに対し,プラセボゲル群では 36 例で認められた(発生率比 0.45,95% CI 0.23~0.82,P=0.005).

結 論

南アフリカで実施されたこの試験では,女性がテノホビルの腟ゲルを性交時に塗布することにより,HSV-2 感染が減少した.(米国国際開発庁ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00441298)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 530 - 9. )